【プレビュー】第2戦も土曜日が決勝…ジェッダでの超高速決戦、サウジアラビアGPで今季の力関係はより浮き彫りになるのか|F1
サーキットのレイアウト(ジェッダ・コーニッシュ・サーキット)
6kmを超える全長に27のコーナー、3か所のDRS区間を持つ、他に類を見ない特徴的な市街地サーキットで行われるサウジアラビアGP。決勝は50周で行われる。 メインストレートの先にある左→右のシケインを抜けると、そこから左右に流れるようなカーブを繰り返してターン13へ。大きなヘアピンカーブを抜けると再び緩やかにコーナーが連続し、ターン19から22まではDRS区間になっており、アクセル全開で勢いよく駆け抜ける。左曲がりのほぼストレート区間であるターン25~26を通過して、最終コーナーで大きく曲がり、メインストレートに戻ってくる。 オーバーテイクを最重要課題に盛り込んだレイアウトでもあるが、エスケープゾーンが少なく、ミスがそのまま致命的なことにもなり得る。そのため、接触からすぐさまセーフティーカー入りという展開も十分に考えられる。2022年にはハースのミック・シューマッハが予選で大クラッシュを喫したため、決勝に出走できないという事例も起こっている。 グランドエフェクト要素の強まった2022年は、DRS検知ポイントでライバルより前にいたくないという状況から、ターン27の手前で過剰に減速するという駆け引きも頻発した。 だが2023年は最終ターン27を立ち上がり、ホームストレートに入ってから170メートル地点にDRSの検知ポイントが変更された。そのため、ブレーキングゾーンでの不自然な減速は前年に比べて大きく減っている。
2023年サウジアラビアGPの結果
2023年F1第2戦、サウジアラビアGP決勝ではドライバー16名が第1スティントにミディアムを選択。7番グリッドのルイス・ハミルトン、最後尾のローガン・サージェントがハードを選んだ。12番グリッドのチャールズ・ルクレール、19番グリッドのランド・ノリスがソフトをチョイスしている。 レースがブラックアウトとなり、2番手スタートのフェルナンド・アロンソがトップでターン1に飛び込む。だがその直後、アロンソのスタート位置に誤りがあったとアナウンスされ、5秒のタイムペナルティとなった。 アロンソ、セルジオ・ペレス、ジョージ・ラッセル、ランス・ストロールの順番で1周目を終えた。オスカー・ピアストリはスタート直後に接触があり、すぐさまウイング交換を余儀なくされている。 4/50周目のターン1でペレスがアロンソをパスし、トップを取り戻した。後方では15番手スタートのマックス・フェルスタッペンが6周時点で11番手までポジションを上げた。16番グリッドからレース開始の角田裕毅も14番手までアップしている。 ペレスとアロンソだけ1ラップ1分34秒台を連発し、3番手以下は1秒ほど遅いペースで周回を重ねる。 11/50周目にはチョウ・グァンユやニコ・ヒュルケンベルグがピットに入り、ハードの第2スティントへ。ここからハードにつなぐドライバーが徐々に出てくる。 18周目、ストロールが突如トラブルによりターン14でマシンストップ。その後セーフティーカー導入となり、これで第1スティント勢は続々とピットに入ってくる。角田も第2スティントにつなぎ、アンダーカットに成功。アルピーヌ勢の前でピットアウトとなった。 これでサージェント以外すべてのマシンがタイヤ交換義務を消化し、ペレス、アロンソ、ラッセル、フェルスタッペン、カルロス・サインツ、ルイス・ハミルトン、ルクレールと続き、角田は8番手まで一気にジャンプアップしている。 21/50周目よりローリングスタートでレース再開。隊列が詰まったものの、大きな混乱はなく各マシンは周回を重ねていく。24周目にDRSが使用可能となった後、角田はエステバン・オコンとピエール・ガスリーに抜かれ、10番手に順位を落とした。 トップのペレスが逃げ、5秒後方には2番手のフェルスタッペン。両者がファステストラップを連発する展開となる。レッドブル勢の2人だけ1分32秒台で周回を重ねていき、3番手以下が引き離される。 アルピーヌの2人に抜かれた角田は10番手を走行。後方から迫るケビン・マグヌッセンと1秒前後を推移しつつ、駆け引きが続いた。 37/50周目に入ると、2番手走行中のフェルスタッペンがマシンに異音があると無線で主張。それでもペースを守りながらペレスを追っていく。ペレスとフェルスタッペンの差は約5秒。そこから3番手アロンソまで17秒も開き、レースは完全にレッドブル1-2のマッチレース状態となった。 46周目、角田はずっとマグヌッセンと戦ってきたが、ロングストレートのDRSゾーンで抜かれ、P11にポジションを落としてしまう。 ペレスはその後もペースを落とさず、2番手フェルスタッペンに約7秒の差をつけて、2戦目で同シーズン初優勝を飾った。15番手スタートのフェルスタッペンが2位に入り、開幕から2戦連続のレッドブル1-2となった。 その15秒後方でアロンソが3番手フィニッシュ。表彰台に上がったものの、この後一度アロンソにはSC中のペナルティ消化が不十分だったとして、10秒ペナルティ加算により4位降格とスチュワードで発表された。だがさらにその後、アストンマーティンの抗議を受け、検証してペナルティを取り消し。アロンソが3位表彰台で決着となった。スペイン人ドライバーはこれがキャリア100度目のポディウムとなる。 4番手ラッセル、5位ハミルトン、6位サインツ、7位ルクレール、8位オコン、9位ガスリーと続き、10位マグヌッセンまでが入賞となった。 角田はマグヌッセンから2.6秒差で11位フィニッシュ。前レース開幕戦と同様の順位で、またしてもあと一歩ポイントに手が届かなかった。 ************ 【レース情報】 F1 第2戦:サウジアラビアGP※日本時間 3月7日(木)22:30~フリー走行1回目 3月8日(金)2:00~フリー走行2回目 3月8日(金)22:30~フリー走行3回目 3月9日(土)2:00~予選 3月10日(日)2:00~決勝 F2 第2戦:サウジアラビア※日本時間 3月7日(木)18:55~フリー走行 3月8日(金)0:00~予選 3月9日(土)0:10~レース1 3月9日(土)22:55~レース2 ************