常翔学園がスクラムで組み勝ち12点差逆転 5大会ぶり4強「下馬評覆す」 高校ラグビー
全国高校ラグビー大会第5日は3日、大阪府東大阪市の花園ラグビー場で準々決勝4試合が行われ、常翔学園(大阪第3)が24-19で大分東明に逆転勝ちした。 試合終了間際、インゴールに何人もなだれ込んでくる大分東明の攻めが2度。トライを奪われ、ゴールを決められると逆転を許す展開で、常翔学園は堅い守りでトライを阻止し、ノーサイドの笛が鳴ると、フィフティーンは両手を突き上げた。就任1年目の白木監督は「誰もあきらめてなかった。守ってくれると信じていた」とうなずいた。 前半2分に先制したものの、3トライを奪われて一時は7-19の劣勢。12-19で始まった後半は基本に立ち戻り、「自分たちの一番の強み」(ナンバー8の井本主将)というスクラムで流れを引き寄せた。 平均体重ではほぼ互角だが、ことごとく組み勝った。ペナルティーを誘い、前半は縦横無尽の攻めを続けていた相手のリズムを崩した。後半早々にトライを挙げ、9分にはスクラムで得たペナルティーをきっかけに、ラインアウトから連続攻撃を仕掛けて逆転のトライにつなげた。 ベスト4進出は5大会ぶり。SNS(交流サイト)上の試合へのコメントでは常翔学園の評価が低いといい、井本は「皆で何でやねんと。そんな下馬評を覆したい」と力を込める。白木監督は「選手の成長を感じる。FWで前へというチームの伝統を貫きたい」と次を見据えていた。(鮫島敬三)