「攻めと粘りの駅伝ができた」 立命大が2区からの独走劇 大会新で9年ぶり栄冠/全日本大学女子駅伝
◇第42回全日本大学女子駅伝(10月27日/宮城・弘進ゴムアスリートパーク仙台発着・6区間38.0km) 【動画】9年ぶり優勝を果たした立命大のフィニッシュをチェック 全日本大学女子駅伝が行われ、立命大が2時間3分03秒の大会新記録で9年ぶり11回目の優勝を飾った。 前回まで7年連続優勝を果たしている名城大が8連覇なるか、それとも大東大や立命大が待ったを掛けるか。注目を集めた秋の仙台路を制したのは、関西の臙脂色のユニフォーム・立命大だった。 立命大の重要な1区を務めたのが太田咲雪(2年)。「思った以上に(各校の)エース級が集まった」というなか、序盤から先頭集団を形成。名城大や日体大などライバル校が遅れ出すサバイバルな展開にも、「ついていって、出られるところで出よう」と最後まで先頭争いを演じる。トップの大東大とはわずか2秒差の2位とわずかに区間賞を逃したが、「次につなげることができた」とこれ以上ないスタートを切る。 続く2区はルーキーの山本釉未。初の全日本大学女子駅伝だったが「応援もあり楽しく走れた」と夢舞台を快走。すぐさま大東大をかわして首位に立つと、太田が昨年樹立した区間記録を14秒も塗り替える12分41秒で走破し、一気にレースの主導権を握った。 その勢いは3区以降も止まらず、3区を務めた主将の村松灯(4年)も区間新記録で中継。この時点で2位の城西大とは1分04秒の差をつけて、優勝に大きく近づいていた。5区では悲願の初優勝を狙う大東大が留学生のサラ・ワンジル(2年)の区間賞で猛追したものの、立命大も4年生の中地こころ(4年)が区間2位で踏ん張り逆転を許さなかった。 19秒のリードをもらってスタートしたアンカーの土屋舞琴(3年)は、「接戦になると思っていた」と話していたものの、「最高の状態で、自信を持ってスタートした」と言うように、序盤から徐々に大東大との差を広げていく。土屋は最後までスピードは衰えず、区間賞も獲得。笑顔でチームメイトが待つフィニッシュエリアに飛び込んだ。 立命大の優勝は2015年以来9年ぶりだが、それまでは5連覇を達成。優勝回数は10回は大会最多と女王の座に君臨していた。11度目の優勝を果たし、女王復権を叶えた杉村憲一監督は「時間が掛かってしまったが、応援のおかげもあり、再び戻ってくることができた。前半からガンガンいって、攻めと粘りの立命館らしい駅伝ができた」と喜びを語り、「選手の頑張り、スタッフのサポート、みんなの力で優勝できたかなと思います」とチーム一丸での勝利を噛みしめた。
月陸編集部