TWICE日本人ユニット・MISAMOによる安室奈美恵カバーの真意、世代や文化を受け継ぐカバー曲本来の役割への原点回帰
■MV公開後に振付変更も…細部へのこだわりまで感じられる本家・安室奈美恵へのリスペクト
では、今回の安室奈美恵カバーは何が違うのか。MVやMISAMOの活動を見ていると、あらゆるところに、本家・安室奈美恵へのリスペクトが感じられる。例えばMVのオープニング。安室奈美恵の「NEW LOOK」が発売された16年前を表す、「16 YEARS AGO」という文字が、その存在感をハッキリと示している。 また本家のダンスでは、サビの「だけど I wanna get a new look」という歌詞で、目元でピースをする振付が印象的だが、MISAMO 版のMV公開時には違う振付となっていた。「あの振付がないのは残念だ」という安室ファンの声も踏まえて、メンバー3人は「安室さんの『NEW LOOK』といえばやっぱりこれだよね」と自らの想いを話し合い、MV公開後に振り付けの変更を申し入れたという。 また、K-POPでは、楽曲に応援の掛け声があり、応援方法の動画が出ることが一般的。今回のアルバムでMISAMOは、「NEW LOOK」と「Identity」という2曲のMVを出しており、オリジナル曲の「Identity」では、これまでのように応援ガイド動画を公開。だが、カバーである「NEW LOOK」ではそれをしなかった。これは、原曲である「NEW LOOK」に、掛け声や合いの手を入れるのは失礼だから無くしたのではないかと推測される。 こうした想いが花を咲かせたのか、TWICE公式YouTubeに上がっている「NEW LOOK」のMVには批判的なコメントはほとんど見られない。双方のファンがそれぞれの良さを語っており、MISAMOファンは「この神曲を生み出して下さった安室奈美恵さんありがとうございます」「これ安室ちゃんの曲なんだ! 本家も聴きに行ったけどどっちも素敵なNEW LOOK」との声が。そして安室奈美恵ファンからも「カバー曲って世間に溢れているけどこんな敬意あるカバーほかにあります?」「若い世代のアーティストが歌い継いでいってくれるのは本当に嬉しい」「MISAMOちゃん達の安室ちゃんへの憧れやリスペクト、愛を沢山感じられる素敵なMV」など、まさに“相思相愛”の様相を呈している。