「ピンピンコロリ」は決して幸せな死に方ではない…62歳で狭心症になりステントを入れた医師が痛感したこと
■突然死のリスクが高く、救急車を呼んだほうがいい症状は? 突然死のリスクがある循環器病、脳疾患を以下、○印で示す。 ---------- ・心臓の病気:弁膜症/○不整脈/先天性心疾患/心不全 ・虚血性心疾患:狭心症/○心筋梗塞 ・肺の病気:○肺塞栓/肺高血圧症 ・動脈の病気:○大動脈解離/○大動脈瘤/末梢動脈疾患 ・脳の病気:○脳梗塞/○脳出血/○くも膜下出血/○急性硬膜下出血/硬膜下血腫 (WHOの定義では、突然死は発症から24時間以内の死亡をいう) ---------- 人々は苦しむことなく「コロリ」と死にたいなどと口にするが、別れの言葉を言う時間もなく亡くなった人はどんなに心残りであろうか。遺された人も、なかなか立ち直れない。 循環器の病気は、時間との勝負である。心筋梗塞も、脳卒中も、迷わずに救急車を呼ばねばならない。脳のときは、“Time is brain”といわれるように一刻も争う状況なのだ(ちなみに、心臓の場合は“Time is muscle”という)。 幸いなことに他の国と違って、日本は救急車が無料である。突然次のような症状が現れたときは、危機が迫っているので、躊躇しないで救急車を呼ぶべきである。 ---------- ○胸痛(狭心症、心筋梗塞の疑い) ・突然、激しい胸痛がある。 ・肩あるいは歯に放散するような痛み。 ・ニトログリセリン舌下錠を3回使っても胸痛が収まらない。 ○背中の痛み(大動脈解離、大動脈瘤破裂の疑い) ○脈の異常(不整脈の疑い) ・不安感を感ずるような脈の乱れ ・平静にしていても、脈拍が50以下、あるいは120以上 ○激しい頭痛(くも膜下出血の疑い) ○神経異常(脳梗塞、脳出血の疑い) ・意識がなくなる。 ・身体の片側に脱力、しびれが出現する。 ・目が見えなくなる、ぼけて見える、視野がかける。 ・言葉が話せなくなる、会話が理解できなくなる。 ・めまい、ふらつき、転倒。 ----------