【お悩み】人前が苦手、不登校ぎみの中3娘…ビリギャルおすすめの「乗り越え方」は?
学校生活の中で、発表する機会は多くありますが、人前で話すことに苦手意識がある中高生は少なくありません。そうした子どもからの悩みに、親はどんな対応をすべきなのでしょうか。思春期の子と親のリアルな悩みを聞いてくれるのは、「ビリギャル」として知られる小林さやかさん。先日、アメリカのコロンビア大学教育大学院を「オールA」で修了した彼女が、親世代に伝えるアドバイスとは? 【写真】昔のイメージとは大違い? 女子高生に人気の意外な大学
【相談】
Q.娘が中学に入ってから不登校になり、今は中学3年生です。不登校の大きな原因になったのは、授業の内容です。娘は小さい頃からあがり症で、人前で何かをするのは大嫌い。参観日でも手を挙げたことはなく、学芸会でも目立たない役を選び、運動会も目立ちたくなくて全力で走ったことがありませんでした。それが中学に入ると、プレゼンなどの機会が増え、英語や道徳、音楽などでも一人で発表することが多くなり、だんだんと学校に行けなくなりました。先生は「苦手な授業は受けなくていい」とか、「遅刻や早退でもいい」と言ってくれますが、娘は「遅刻や早退は目立つし、保健室登校も嫌」と言います。最低限の勉強は家庭教師をつけてしており、本人は「将来の仕事は人前でプレゼンすることばかりじゃないのに」と言っているのですが、今後どうなるのかと不安です。(母親・51歳・東京都在住)
訓練なしでは、心が折れても当然
【回答】 娘さんのリアクションはものすごく真っ当だと思います。これまでやったことがないこと、しかも恥をかくのが想像しやすいことをいきなりさせられるのは、大人でも怖いはず。もし共学なら異性の目もあるし、思春期にはなおさらだと思います。 日本人って、本当に人前で話すのが苦手ですよね。近年はアクティブラーニングなどの取り組みも増え、プレゼンの機会が増えていること自体はいい試みだと思います。でも、これはスモールステップで丁寧にやらないと、心が折れて当然だと思うんです。 私も大学で発表するときは、英語が苦手だということもあって、いつも心臓がバクバクです(笑)。アメリカ人は全然緊張していないように見えるので、友達にその理由を聞いたら、彼女たちは小学校に上がる前から人前で話す訓練をしているそうです。幼稚園でも「今日はあなたがスピーカーね」と、いきなり発表役を振られる。うまく話ができない子もいますが、そういうときは大人が「朝ごはんは何を食べたの?」「今日のファッションのポイントは?」などとサポートして、少しずつスモールステップで、しっかり自己主張できるマインドを育てていくそうです。つまり、問題は娘さんにあるのではなく、トレーニングなしでいきなり実践が求められる環境にあると私は思います。 講演をするようになってから、私がやっていた練習法をお話ししますね。まずはスクリプト(台本)を書いて丸暗記する。次に実際に話しているところをスマホで動画に撮ってみる。自分が話している動画を見るのは、すごく嫌なんですよね(笑)。私も最初は嫌でしたが、撮ってみることで「自信なさそうだな」とか「ちょっとしゃべるのが速すぎるな」とか、改善点が見えてくるんです。このトレーニングは私自身が効果を感じた方法ですが、これも「人前で話すこと」に娘さん自身が価値を見いだせていないと意味がありません。