教師の最強の武器は「ありがとう」のコトバ
コトバ①
「Aさんは〇〇が素敵な人だね」
出会いから全力で価値づけよう
いよいよこの連載も最終回になってしまいました。この連載を読んでくださっていた教員志望の皆さんには、教師という仕事を明るく、知的に行って欲しいと思いますので最後は「クラスが前向きになる1学期に活用したいコトバ」をお届けします! さて、一つ目は4月から学級がスタートしてGWを抜け、5月に入り……と、まさに今、学級をつくっている、という時期に行いたいことです。 それは、クラスの子たち一人ひとりの良いところをどんどん価値づけていくこと。 例えばノートの字が丁寧な子に対しては、「Aさんはノートの字が丁寧な人だなあ」と声に出して褒める。それが価値付けです。 体育でボールを投げるのが上手な子に対しては、「Bさんはボールを上手に投げるんだねえ」という具合です。 褒める=価値づけるポイントは何も学習や生活の中の〈王道〉でなくても構いません。 例えば、「声が大きい子」に対しては、「Cさんは良く通る声をしているねえ」。 笑顔が素敵なDさんに対しては「Dさんの笑顔を見ているとこちらまで気分が良くなって、授業が楽しくなるよ」……といった具合です。 褒めるポイントは教師の意識の問題で、いくらでもあるのです。 少々やんちゃな子で、正直どこかあるかなあ、と思っても必ずあります。例えば「その元気な姿が教室にパワーを与えている」とか。 大切なのは切り込む角度、教師の見方です。「困った子だ」というフィルターで見てばかりいても、絶対にその子の良さは見えてきません。意地でも褒めてやる! くらいの気持ちでポジティブにその子を見てみる。 こうして価値づけていると、笑顔を価値づけられた子はもっと笑顔になり、走るのが早いことを褒められた子はダッシュで体育の時に集合します(笑)。子どもたちって、可愛らしいものですよ。 また、価値づけることのさらに良いところは、「価値づけている時の教師自身の表情が笑顔になっている」というところ。教師の笑顔は1番の子どもたちへのメッセージであり、見守り方。良いところを見つけて、伝える表情が残念なわけがないわけです。4月の出会いから子どもたちの良いところが見えたら全力で価値づけていきましょう。