工作員やサイバー攻撃…中国による“本格的侵攻”描くドラマを台湾が制作
日テレNEWS NNN
いま台湾で「中国による台湾侵攻」をテーマにしたドラマが制作され、話題となっています。作品では中国が本格的な侵攻を前にさまざまな工作を仕掛け、台湾を追い詰める様子が描かれています。
先週、台湾・台北市で… 渡辺容代記者 「こちら通常だと非常に車通りの多い総統府前の道路なのですが、こちらを閉鎖してドラマ撮影が行われています」 テントの中に入ってみると… 渡辺記者 「出演者の方が着ていた衣装でしょうか。『解放軍の靴』ということで、中国軍の衣装もありますね」「こちらは…警察の盾ですね。小道具として使われるようです。非常に緊迫したシーンが撮られるものとみられます」
撮影されていたのは、中国軍による台湾侵攻を描いた、異例のドラマ。台湾政府も全面協力をしていて、10億円を超える制作費で作られる台湾ドラマです。中国での活動への影響を懸念し、降板した俳優や監督もいる中、ドラマには俳優の高橋一生さんが出演しています。 7月に解禁された予告編では、中国軍機が台湾周辺上空で“消息を絶った”というニュースから始まり、中国軍が機体の捜索を口実に台湾を海上封鎖するというストーリー。サイバー攻撃や、台湾内部の協力者たちが暴動を起こすという展開が、専門家らの想定に基づいていることから、ドラマは大きな反響を呼んでいます。
次のようなシーンも… 中国のアナウンサー 「台湾独立にむけ活動をする者を見かけたら、必ず中国軍に通報してください」 一斉に中国の放送に切り替わる画面─。これは2022年、中国が台湾への圧力を強めた際に実際に起きたハッキングがモデルになっています。 台湾統一を目指し、さまざまな秘密工作を駆使した、内部崩壊を狙っているともされる習近平政権。ドラマでは主に、中国による台湾内部での工作活動が描かれ、制作に協力した専門家は、これらの工作活動について「台湾の中に中国に同調する人を増やすことが目的」だと語ります。