【東海3県に初進出】奥飛騨温泉郷に星野リゾート『界 奥飛騨』オープン! 客足減る温泉郷の起爆剤になるか!? 課題は“知名度アップ”と“魅力づくり”
宿泊者数を見ても、コロナ禍で減少したものの奥飛騨温泉郷と比べると増加傾向に。人が減る一方の「奥飛騨温泉郷」と、多くの観光客でにぎわう「高山市街地」。同じ高山市内で、なぜ明暗が分かれたのでしょうか。専門家はこのように分析します。 三菱UFJリサーチ&コンサルティング 観光戦略室 内田克哉室長: 「1995年に白川郷が世界文化遺産に登録されて、高山市街地と白川郷をセットで訪れるのが大変人気になっている。そちらに集中してしまっている現状があると思います」
さらに、高山市街地と比べて、奥飛騨温泉郷は知名度が低いことも課題になっています。観光客にインタビューしたところ、外国人は奥飛騨を知らない人が多く、日本人は「車じゃないと行きにくい」などの理由から知っていても訪れないと答えた人が多く見られました。
奥飛騨温泉郷の知名度アップへ…高山市~松本市を巡る新観光ルートも誕生
かつてのにぎわいを取り戻そうと、『ひらゆの森』の山田社長は、奥飛騨温泉郷観光協会の事業として、国立公園の中にサウナをつくるなど、新しい魅力づくりに取り組んでいます。そんな山田社長が、新たにオープンする『界 奥飛騨』に期待することは…? 『ひらゆの森』 山田幸一社長: 「奥飛騨に足を踏み入れてなかった人が、星野リゾート(参入)をきっかけに初めて平湯温泉に来られて、けっこういいところだなと思ってもらえたら、僕らとしてはすごくうれしい」
星野リゾートも、奥飛騨温泉郷の知名度アップと魅力を伝えることは課題としています。 『界 奥飛騨』 須永隆介総支配人: 「開業することで、この地域の魅力であったり、東海地方に向けて岐阜県の魅力を発信できる。地域と連携して奥飛騨温泉郷全体の貢献に努めていきたいと考えています」
知名度アップ貢献に期待できそうなのが、奥飛騨にできつつある新たな観光ルート「北アルプストラバースルート」。すでに外国人観光客から大人気の高山市街地から、奥飛騨温泉郷や新穂高ロープウェイなどがある北アルプスエリアをまわり、長野県松本市までを結ぶ、大自然を満喫できる全長約80キロのルートです。 ターゲットは外国人観光客。「北アルプストラバースルート」によって知名度が上がれば、奥飛騨を訪れる外国人観光客が増えるかもしれません。 奥飛騨の観光開発によって、高山市街地と白川郷に集中している飛騨の観光客を引き寄せることができるか、注目です。