<プールの授業「日焼け止め使用禁止」で論争>「肌が弱い子がかわいそう」「使うとプールの水が汚れる」「先生は更衣室でこっそり塗っていた」教育委員会は「校長の判断に委ねてる」と話すが…
水が汚れてプールに入るのを嫌がる児童も
今回の件に対して、現役の教師たちはどう考えているのか? 東京都の小学校に勤務する男性教諭は、次のように実情を語る。 「私が勤務する小学校では、10年くらい前から、プールの授業で日焼け止めを使用することが許可されています。最近は紫外線対策のため、日焼け止めの使用を許可する学校が多くなったと思います。 ただ、日焼け止めにより、プールの水が汚れることがあるのは事実です。過去には水面に日焼け止めの油が浮いているところを見て、プールに入るのを嫌がる子どももいました。 1年くらい前の職員会議で、プールの水が汚れることを防ぐため、日焼け止めの使用を禁止する提案が出ました。 しかし、『子どもたちの肌の健康を守るために、日焼け止めはこれまでどおり許可したほうがいい』という意見の先生が圧倒的多数でした。話し合いの結果、耐水性のある日焼け止めのみ使用を許可することになりました。」(40代男性・東京都小学校教諭) 次に、都内の小学校で働く30代の女性教諭に話を聞いた。 「私の学校では、プールの授業で日焼け止めの使用を禁止されています。理由は『日焼け止めをつけたままプールに入ると、水が汚れるから』と学校から説明されています。 でも正直、職員用の更衣室で日焼け止めを塗っている先生を見かけることは多いです。最近は連日、かなり日差しが強いですし、日焼け止めを塗らずにプールに入ることは教師も辛いです。禁止されているとはいえ、実際は家で日焼け止めを塗ってきている児童も多いのではないかなぁと思います」(30代女性・東京都小学校教諭)
「日焼け止め禁止」に対する保護者のリアルな声は?
では、親側の意見はどうだろうか? タワーマンションが立ち並ぶ、二子玉川駅周辺で小学生の子を持つ保護者100人を対象に街頭アンケートを行い、学校の実態を聞いてみた。 結果として、「プールの授業で日焼け止めが禁止されている」と答えた人はわずか18人で、「禁止されていない」と答えた人は82人。禁止されていない学校が圧倒的に多いということがわかった。 まずは、プールの授業で日焼け止めの使用を禁止されている保護者の意見をいくつか紹介しよう。 ●30代専業主婦・小3女子の母親 「紫外線によって、肌が炎症を起こすリスクもあるので、早く許可されることを祈っています。肌が弱い子の親は学校に内緒で毎朝、日焼け止めを塗ってから登校させているとママ友が言っていました」 ●30代パート・小4女子の母親 「日差しが強いこの時期、日焼け止めを塗らせてもらえないのは心配ですね。でも、学校が定めたルールだから仕方ないかなぁと思います。水泳の授業のときは上にラッシュガードを着ているので、身体が焼けることはないです。 でも、毎年プールの時期になると、顔は日焼けで真っ黒になります。ゴーグルの跡が顔にくっきりとついていて、可哀想になりました」 ●30代パート・小4男子の母親 「私のママ友は、日焼け止めが禁止されていることに対して、学校にクレームを入れていましたよ。私も耐水性がある日焼け止めであれば許可してもいいのでは?と思うので、そう言いたくなる気持ちもわかります。 紫外線を浴び続けると将来、皮膚ガンになるリスクが高くなると聞いたことがあるので心配ですね」
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