「逆三角形すぎる!」広い肩幅と細いウエストでメンズフィジーク日本2位の29歳 悔しさを爆発的なエネルギーに変え次戦へ
9月29日(日)、岡山県にて開催された『JBBFオールジャパン フィットネス チャンピオンシップス2024』(以下オールジャパン)では全国からフィットネス競技者が集い、階級別での日本王者を決める。 【写真】上松康一郎選手のボコボコした背中
メンズフィジークは身長ごとに5つの階級に分かれており、なかでも完成度が非常に高い選手が集まる172cm以下級は激戦区の一つだ。今大会でも51名の選手が出場したが、この階級ではTOP3の顔ぶれが昨年と同じだった。 表彰式を終えた舞台裏で、一際悔しさを浮かべていたのは上松康一郎(うえまつ・こういちろう/29)選手。顔が小さく、シンメトリーな逆三角形のアウトラインが美しい上松選手は激戦区のメンズフィジーク172cm以下級で2位を収めた。 昨年より順位を1つ上げた結果だが、本人は「本当に、悔しいです……」と声を震わせる。今大会の同階級で優勝を収めた増原駿選手は同い年で、同じ関西出身。上松選手にとっては良きライバルだ。 「僕より断然サイズがデカく完成度も高いんですけど、ライバル視していました。彼の優勝については、これまでの過程を知っているからこそ、素直におめでとうっていう気持ちですが、それでもライバルだからこその悔しさも少しあります」と、真っすぐに気持ちを話してくれた。 普段は東京の「LUX GYM」でオーナー兼パーソナルトレーナーとして多忙な日々を過ごす上松選手。聞けば、今シーズンは仕事と競技の両立が難しかったのだという。仕事上、自分自身のトレーニング時間や食事管理など、時間を割けないことも多かった。 競技に集中できない時間が増えてくると、大会への気持ちも揺らぐだろう。しかし「なんとかここまでたくさんの人に支えられて減量もできたので」と、オールジャパンへの出場を決めた。多忙な日々を過ごしながらも、ざっくりしたカロリー管理で減量を進め、ストイックになりすぎないように「割と適当に食べれるときに食べていた」と上松選手。 今後の予定は10月6日にある『JBBFグランドチャンピオンシップス』(以下、グラチャン)出場と、12月の『男子ワールドカップ』への挑戦だ。グラチャンはオールジャパンで2位までに入れたらエントリーすると決めていたのだそう。 「今週末のグラチャンは残された期間も短いので。コンディションを合わせてやれることをやっていくだけ。また、男子ワールドカップは出場資格を手に入れたので、12月に向けてもう一段階ギアを上げて巻き返してやろうと思っています」 悔しさは時に爆発的なエネルギーとなる。今大会で得た感情は、上松選手にとっての力になるだろう。
【JBBFアンチドーピング活動】JBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)はJADA(公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構)と連携してドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体で、JBBFに選手登録をする人はアンチドーピンク講習会を受講する義務があり、指名された場合にドーピング検査を受けなければならない。また、2023年からは、より多くの選手を検査するため連盟主導で簡易ドーピング検査を実施している。
取材:小笠拡子 撮影:中島康介