大坂なおみ、翌日が1歳誕生日の娘に捧げるウィンブルドン初戦突破「本当に勝てて良かった」
【ウィンブルドン(英)=小石川弘幸】テニスのウィンブルドン選手権は1日、ロンドン郊外のオールイングランド・クラブで開幕し、女子シングルス1回戦で、大坂なおみ(フリー)はディアヌ・パリ(仏)に6―1、1―6、6―4で競り勝った。日比野菜緒(ブラス)はエリーズ・メルテンス(ベルギー)に逆転負け。男子シングルスでは、第1シードのヤニク・シナー(イタリア)、第5シードのダニール・メドベージェフ(ロシア)が順当に2回戦に進んだ。
大坂にとって5年ぶりのウィンブルドンの初戦は、娘シャイちゃんの1歳の誕生日の前日だった。プレゼントにピーターラビットの本も買ってあるし、誕生日の準備は万全だ。ここで負けるわけにはいかなかった。
第1セットは強打で圧倒して6―1。ところが、出だしがすんなりいきすぎたために、第2セットで「自分にプレッシャーをかけてしまった」。強引なショットがミスを生み、芝で滑る相手のスライスボールにうまく対応できずに、1―6で失った。第3セットも先にブレイクされてピンチに。
しかし、ここから粘った。一打一打丁寧に返して、じっくりと相手のミスを待つ。第6ゲームをブレイクすると、ラリーが続いた第9ゲームを粘り強く守ってリード。最後に相手のダブルフォルトで勝利を手にすると、拳を握って小さくうなずいた。
試合前には、出産直前の病院での自身の写真を見つめ、改めてこの1年間を振り返ったという。「本当に勝てて良かった」。自身にとっても、家族にとっても、記念すべき1勝となった。(小石川弘幸)