イニエスタ初陣も神戸惨敗に三木谷怒りの無言スルー。V使者になれるのか?
チーム最多の5ゴールをあげているブラジル人のウェリントンとは、ベルマーレ戦で幾度となく可能性を感じさせる連携を見せた。もう一人、左足の故障で帰国治療中の元ドイツ代表FWルーカス・ポドルスキ(33)は、イニエスタの加入決定前から母国のメディアにこんなコメントを発している。 「来るとすれば、とにかくやばい。僕にとって、もうひとつの大きなハイライトになる」 やばいとは、要は予測不能の化学反応が起こることへのワクワクした心境を指すのだろう。再来日の予定は8月中旬。そのころには万全の状態になっている、とばかりにイニエスタも前を見すえた。 「今日がこれから始まる素晴らしい物語の第一歩であることを確信しています」 完敗とともにブーイングも浴びたが、それでも順位は6位とキックオフ前から変わらない。YBCルヴァンアップこそプレーオフで敗退してしまったが、天皇杯全日本サッカー選手権ではベスト16に勝ち残り、8月22日の4回戦では盟友フェルナンド・トーレス(34)が加入したサガン鳥栖と対戦する。 イニエスタが託されたのはクラブ悲願の初タイトル獲得と、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)出場権獲得。初めてバルセロナ以外のユニフォームを着てプレーするスーパースターにとって、今シーズン最多、スタジアム歴代でも3位となる2万6146人の大観衆の前で喫し、三木谷会長をも不機嫌にさせた黒星がもたらす悔しさは、捲土重来を期す上でのまたとない糧となる。 (文責・藤江直人/スポーツライター)