たかが開幕、されど開幕――。W杯やJリーグに見る“オープニングマッチ”の重要性
1シーズン制の優勝チームは9勝2分4敗
1993年、V川崎は開幕戦で横浜に敗れたが、軌道修正して優勝。珍しいケースだった。(C) J.LEAGUE
まっさらな舞台には、誰もが勝手なシナリオや空想を描ける。だからイベントは前夜祭が一番心躍る。 思えば20世紀末のワールドカップは、開幕からサプライズが飛び出すことが多かった。1974年西ドイツ大会から2002年日韓大会までは前回王者が開幕戦に登場していたのだが、8大会中順当勝ちは2度しかなく、逆に3度も躓いている。 1990年大会ではカメルーンがアルゼンチンを、2002年大会ではセネガルがフランスを下し、その先の快進撃につなげた。1996年アトランタ五輪では、日本に出鼻を挫かれたブラジルの準備不足と、日本の入念なスカウティングが脚光を浴びることになったわけだが、まだこの頃までは国際的な大舞台でも出たところ勝負の残り香があり、そんな不穏な空気が現場への吸引力になっていた。例えば2001年にバレンシアで欧州チャンピオンズ・リーグのマンチェスター・ユナイテッド戦を取材した時の
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