職員へのカスハラ防止へ 名札の表記を名字のみに SNS脅迫対策にも 福島県郡山市
カスタマーハラスメント(カスハラ)防止に向け福島県郡山市は1月から、職員の名札の表記を従来のフルネームから名字のみに変更した。 従来の名札は所属、職名、顔写真、氏名を記していた。見直し後は所属のほか名字、名字のふりがな(ひらがな、ローマ字)のみとした。 市は昨年5、6の両月、全3452人の職員を対象にカスハラ実態調査を行った。回答した2330人のうち、5年以内に被害に遭ったと答えた人は36・4%だった。正職員は約半数がカスハラを受けたと答えた。 長時間の拘束や同じ内容を繰り返すクレーム、大声による威圧、名誉毀損(きそん)、暴言などを受けたとの回答が多く見られた。結果を踏まえ、名札表記の見直しを決めた。 執務室出入り口の座席表の掲示も廃止した。来庁者にカスハラ予防への理解を求めるポスターも庁舎内に張り、周知を図っている。 市職員厚生課担当者は、名札のフル表記取りやめにより、交流サイト(SNS)に名前を書くなどと職員を脅す被害を防げると効果を指摘。「取り組みを市民サービスの向上につなげたい」と話している。
(郡山版)