新型コロナ感染で認知症リスク2.03倍に! 「一度かかると影響2年」の報告も……高齢者の“脳”を直撃するコロナ後遺症の恐怖
「円安?」「国債?」「チャットGPT?」よく耳にするけれど、実際のところ何のことなのか、何が問題なのかわからないまま……そんな今さら聞けないニュースや用語の数々を、どこよりも楽しく、そしてわかりやすくご紹介します!大人気アニメ「秘密結社 鷹の爪」の吉田くんが新聞記者となって、世の中の経済ニュース・時事用語を基本からていねいに紐解き話題となっている書籍『「鷹の爪」の吉田くんが聞く!経済ニュースと時事用語がめちゃくちゃわかる本』の中から一部を抜粋、編集してお伝えします。 本連載の用語解説の回は、好奇心旺盛な「鷹の爪」吉田くんの疑問を、「鷹の爪」のマッド・サイエンティスト、レオナルド博士がズバリ解説します。今回の用語は「新型コロナと認知症の関係」です。 ● 新型コロナの後遺症としてアルツハイマー病のリスクが上がるという報告が… 相談者 吉田くん(新聞記者):先日新型コロナにかかってしまいました。その後ずーっと頭がぼんやりしているのですが、これってもしかして認知症でしょうか。それとも恋の病でしょうか。 回答者 レオナルド博士(マッドサイエンティスト):吉田の頭がぼんやりしてるのはコロナにかかる前からだな。「頭がボーッとしてる」という理由で朝日新聞社にスカウトされたって聞いたが、最近の新聞社は何考えてるかわかんねぇな。 ただ、新型コロナウイルス感染症の罹患後症状(いわゆる後遺症)として、認知機能障害やアルツハイマー病のリスクが上がるという報告は、実際に海外で相次いでいる。 米医学誌ネイチャーメディシンに2022年9月、コロナに感染した約15万人を含む米国の退役軍人のデータを基にした大規模研究の結果が掲載された。感染後のアルツハイマー病のリスクが高まり、感染した人が1年後にアルツハイマー病になるリスクは感染していない人の2.03倍、記憶障害は1.77倍だった。英医学誌ランセットサイカイアトリーに2022年8月に掲載された128万人の国際的な研究では、コロナ感染後に認知症になるリスクは、2年以上続いていた。 コロナ後遺症に関する厚生労働省の診療の手引の編集委員会メンバーで、複数の論文を分析した下畑享良・岐阜大教授(脳神経内科)は「新型コロナは認知症の新たな危険因子。脳にも影響を与えると知ってほしい」と警鐘を鳴らす。 認知症になりやすくなる理由としては、脳の広い範囲で神経炎症が起き、アルツハイマー病の原因とされるたんぱく質、アミロイドβの蓄積を促進したり、ウイルスが脳細胞を融合させ正常に機能しなくなったりすることが考えられるという。 おいおいコロナの野郎、こんな所にまで影響しちまうのか。いつまで悪さを続けるつもりなんだ……。 ※本稿は『「鷹の爪」の吉田くんが聞く!経済ニュースと時事用語がめちゃくちゃわかる本』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。 ※吉田くんとアカツキ先輩が活躍中のアニメ連載「そもそも?知りたい吉田くん」は朝日新聞デジタルで読むことができます。
「鷹の爪」吉田くん