養護老人ホーム職員が入所者の金着服 岡山・津山市立施設 被害者58人、2千万円以上か
岡山県津山市は11日、社会福祉法人江原恵明会(同市津山口)が指定管理する市立養護老人ホーム・ときわ園(同市井口)の職員が、入所者からの預かり金を6年4カ月にわたって着服していたと発表した。関係者によると、被害者は少なくとも58人、被害額は2千万円以上とみられる。 市や法人によると、職員は40代男性で、2017年ごろから預かり金の管理を担当。18年4月~24年7月、日用品の購入などのため入所者から預かった通帳やキャッシュカードで金を引き出し、着服していた。職員は私的流用を認め「遊興費に使った」と話しているという。 職員が入所者の通帳を見せるのを拒否するなど不審に思った施設長が7月下旬、法人に報告。弁護士らでつくる調査委員会が通帳や入所者の出納帳を確認し、発覚した。職員が入所者からの出金依頼書や領収書、通帳を処分し、証拠隠滅を図った可能性もあり、調査を継続しているという。 法人は預かり金台帳などの確認が不十分で通帳や印鑑の管理も職員任せになっていたのも一因としている。職員が全額返済する意向を示していることから、刑事告訴は見送り、25日付で懲戒解雇する方針。 江原秀国理事長は「入所者や家族らに深くおわびする。迅速・適切な賠償に努め、再発防止に取り組む」と陳謝した。