【闘病】乳がんで『もしかしたら死ぬのかな』とは考えた 乳首・乳輪は摘出
話を聞いた高辻さんは、2014年に乳がんと診断され、今年(取材時)で10年を迎えます。乳がんが発覚してから、3人目のお子さんを出産されたそうです。乳がんの診断に至るまでの経緯や、出産へ向けての思いなどを話してもらいました。 【イラスト解説】「乳がん」の前兆となる4つの初期症状 ※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2024年5月取材。
検診では問題なかったが、しこりが大きくなり病院を受診した
編集部: 病気が判明した経緯について教えてください。 高辻さん: 以前、乳腺炎があったので、元々なんとなくしこりのようなものはあったのですが、検診も受けており、その結果も問題なかったのでとくに何もしていませんでした。ですが、胸を触った時に少し大きくなっていたため、病院を受診しました。 その際のエコー検査で、医師から「細胞診の結果待ちですが、おそらく間違いないと思います。乳がんです」と告知されました。最終的に検査の結果は、ホルモン受容体陽性の乳がんでした。 編集部: 自覚症状などはあったのでしょうか? 高辻さん: 乳輪にしこりがありました。初めは米粒くらいだったのが、やがてあずきくらいの大きさになりました。それ以外は、痛みも浸出液もありませんでした。 編集部: どのように治療を進めていくと医師から説明がありましたか? 高辻さん: 「しこりが少し大きくなっているため、乳首、乳輪とも全摘します」と言われました。そして、「脇のリンパも検査するため、リンパ節も除去し、その後再建術も一緒に行います。 再発防止に抗がん剤治療をしましょう」とも言われました。ですが、私は、3人目の子どもの出産を考えていたため、抗がん剤治療はしない選択をしました。 編集部: 手術から3人目のお子さんを出産されるまでの経緯をもう少し詳しく教えていただけますか? 高辻さん: 乳がんの手術を受けて、今後の治療についてドクターより説明を受けたのですが、その話の中で、確かソーシャルワーカーさんから、乳がんにはまだ使ってない薬があるそうで、年齢がまだ若いことと、ホルモン系のがんであったために、治験を勧められました。 私は快諾していたのですが、主人が3人目の子どもを望んでいて、治療までの1カ月の間でめでたく妊娠したため、断りました。主人は真顔で一生懸命だったので、私も主人の気持ちに向き合いました。 当時45歳で、高齢出産になるため、主人、娘、息子とたくさん話し合い、出産することを選びました。