【Q&A】週1回のパチンコと毎日のツボ押し、認知症の予防で効果的なのはどっち?
高齢者の中にはパチンコをするのが習慣になっている人もいます。場合によってはパチンコ店がコミュニケーションの場になっていることもあるでしょう。 そういった状況に対して、ネガディブなイメージを持つ方もいると思いますが、認知症の予防という点からみると、パチンコは効果的なのでしょうか? それとも健康グッズなどを使って毎日刺激を与えたほうがいいのでしょうか? どちらが効果的なのか? 医師の答えはこちらです。 <A:週1回のパチンコ> その理由を「主治医が見つかる診療所」(テレビ東京系列)にレギュラー出演中の秋津壽男医師の著書『100歳まで元気なのはどっち? 長生きする人・しない人の習慣』より一部抜粋・編集してご紹介します。 ***
高齢になればなるほど、気になってくるのは認知症です。 厚生労働省の調査によると、2012年時点での65歳以上の認知症の人は、約462万人いるとされています。現在60歳前後の人はもちろん、高齢の親を持つ人には気になるテーマのひとつでしょう。現在の医学では、認知症を完全に治す方法は見つかっていません。それゆえ、予防がとても重要とされています。 では、認知症予防について問題です。次に挙げる2つでは、どちらが認知症の予防につながるでしょうか? (1)手で握るタイプのツボおし健康器具を毎日握る (2)週一回、パチンコをたしなむ よく、認知症予防には、「手を使うことが、脳に刺激を与えるので大切」だと言われます。 その意味では、健康グッズの使用もあながち間違いではありません。少なからず、認知症予防の効果はあるでしょう。 しかし、いくら効果があるものでも、その人にやる気がなければ、脳への影響は少なく、認知症予防の効果は激減してしまいます。 一方でパチンコは、玉を出したいという気持ちがわいてくるものですし、好きで行っている人が多いので、やる気が起こるという点でとても有効で、脳へ良い影響を与える刺激となります。 私がフィールドワークを行った老人ホームの内部では、入居者がパチンコと麻雀、バカラを楽しめるようになっていました。この3つのどれが認知症予防に効果的かと言うと、どれも効果があったそうです。 勝負に対する執着、お金に対する執着心が、脳への刺激になるということが分かっています。勝ち負けに特にこだわらず、適当にゲームをしていては効果が期待できません。ただし、熱くなり過ぎると、そのストレスで心筋梗塞が起こることも考えられるので、リスクとのバランスを考えて適度にたしなむ程度にしておきましょう。 秋津壽男(あきつ・としお) 秋津医院院長。日本内科学会認定総合内科専門医、日本循環器学会認定循環器専門医、日本医師会公認スポーツドクター、日本体育協会公認スポーツドクター、日本禁煙学会認定禁煙専門医。1954年(昭和29年)和歌山県生まれ。1977年大阪大学工学部を卒業後、再び大学受験をし、和歌山県立医科大学医学部に入学。1986年に同大学を卒業後、循環器内科に入局し、心臓カテーテル、ドップラー心エコー等を学ぶ。その後、東京労災病院等を経て、1998年に品川区戸越銀座に秋津医院を開業。現在、『主治医が見つかる診療所』(テレビ東京系)にレギュラー出演中。著書に『放っておくとこわい症状大全』(ダイヤモンド社)等がある。 秋津壽男(秋津医院院長) 協力:あさ出版 あさ出版 Book Bang編集部 新潮社
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