SECのゲンスラー委員長、イーサリアムETF承認に関心薄い態度
以前にビットコイン(BTC)の現物ETFを承認した米証券取引委員会(SEC)にとって、イーサリアム(ETH)の新たなETF(上場投資信託)の承認は、論理的には次のステップになる。SECのゲリー・ゲンスラー委員長(Gary Gensler)が5日にこのことを2度示唆したようだ。 暗号資産(仮想通貨)業界では、ゲンスラー委員長率いるSECが方針を転換して第一段階の申請を許可する前に、まずはイーサリアム現物ETFを阻止することを計画していると広く信じられていた。しかし、SECのトップであるゲンスラー委員長は進行中の承認プロセスについて、まるで何気ない事柄であるかのように手早く説明した。CNBC出演時のインタビューと国際スワップ・デリバティブ協会/証券業界・金融市場協会のイベントに合わせて行われたインタビューの2回で同様の対応を取った。 ゲンスラー委員長はCNBCでのインタビューで、「イーサリアムはシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の先物取引で3年以上取引されていた。そしてスタッフがそれを綿密に検討し、承認されたのだ」と述べた。また、「今、基礎となる上場取引型金融商品(ETP)は依然として、それについて開示するためのプロセスを経る必要がある。それには時間がかかるだろうが、彼らは現在それに取り組んでいる」と説明した。 ゲンスラー委員長はその後記者団に対し、「4か月前に委員会レベルでビットコインETPを承認していたのと同様に」SECのスタッフがETF申請者の19b-4フォームを承認したと語った。 ゲンスラー委員長のこの発言は、デジタル資産セクターにとってのこの重要な瞬間に関連するドラマを反映してはいなかった。これは、取引資産としてのビットコインの地位をすでに再定義した、1月に承認されたビットコイン現物ETFに続くものだ。一方で、ゲンスラー委員長の口ぶりは、最近の別の発言と一致している。同委員長は最近の発言で、ワシントンD.C.巡回控訴裁判所がSECに対する訴訟でグレイスケール(Grayscale)の側に立ったことで、SECはそうしたETFの承認に関して行動を取らざるをえなかったことを示唆していた。 ゲンスラー委員長は2週間前に、「私たちは法律の範囲内で、裁判所が法律を解釈する方法に従ってそれを実行する。私が深くコミットしていることはそれだ」と述べていた。 この立場は、SECがビットコインと同様にイーサリアムのETFを一貫して承認するつもりだったことを示唆している。 また、ゲンスラー委員長はイーサリアムETF申請の現在のプロセスについて楽観的な説明をしているようだが、同委員長のコメントにはまだ重要な疑問が残っている。同委員長は「時間がかかる」と述べたが、この最終承認はいつになるのだろうか。今のところ、正確な答えは不明だ。 実際のイーサリアムを直接保有し、他のETFと同様にいつでも簡単に取引できるイーサリアム現物ETFは、今月か来月に実現すると予想する人もいる。