コンポストと循環経済に挑む女性たち③ コンポスト義務化のフランスにも挑む
■LFCは、フランスの気候に合わせた仕様で展開
LFCは2021年からフランスで「LFCコンポスト」の製造・販売を段階的に進めてきた。当初は卸売り販売をメインに、フランスやスペイン、イタリアでの販売を開始し、徐々に定期購入の個人顧客も開拓していった。定期購入顧客はオランダやルクセンブルク、スイス、スウェーデンなどにも及び、その数も1000世帯を超えた。 初心者でも取り組みやすく、また集合住宅のベランダにも置ける手軽さは好評で、特に異なるコンポストを経験した人からは、「すごく簡単だ」と支持される。日本同様に、ユーザーの質問にもメール等で対応する点も、継続につながっている。 また価格競争力もある。ミミズコンポストやボカシの価格が大体90~150ユーロ(約14700~24400円)なのに対し、「LFCコンポスト」は60ユーロ(約9800円)だ。 フランスでの展開にあたっては、日本に比べ外気温が低く、湿度も低い乾燥した気候条件に合わせた工夫を施した。バッグは内袋を使う二重構造とし、その生地は、日本のよりも厚手の再生フェルトを採用した。 また製造は、難民やハンディキャップのある人材を採用するパリ郊外の服飾関連団体が手がける。
■「パーマカルチャー」への関心も高まる
川波氏は、「フランスでは、コロナ禍の2年近いロックダウンの中で、都市部の人たちの間でガーデニングが大きなムーブメントとなっており、パーマカルチャーへの関心が高まっている」との変化を感じるという。 「パーマカルチャー」は、「パーマネント(永続性)」と「アグリカルチャー(農業)」、「文化(カルチャー)」を組み合わせた言葉で、自然のエコシステムを参考にしながら、人と自然が共存し、永続的な環境・社会を作り出すデザイン体系を言う。 また「できあがった堆肥の活用法に困る」という声をほとんど聞かない点も、農業大国フランスならではだという。しかし、今後の事業拡大を見据え、郊外での農業従事者との連携や、堆肥を作ったその先の楽しみを知ってもらうコンテンツ発信にも取り組んでいる。