中国産金属シリコン市況、需給緩和継続で底割れ。高品位品除き11月末比50ドル超安
中国産金属シリコン市況は底割れの展開。需給緩和の継続により、高品位品2202を除く主要品種が1カ月前に比べてトン当たり50ドル以上下落している。 足元の輸出向け価格(FOB)は「2202」がトン当たり2500~2600ドル(11月末比横ばい)、「3303」が1680~1720ドル(同60~70ドル安)、「441」が1600~1630ドル(同60ドル安)、「553」が1550~1590ドル(同40~50ドル安)。 シリコン需給は緩和が継続中。中国全土の1~11月生産量は455万トンで前年同期比100万トン増えた。12月も同様のペースとなれば496万トンとなる見込みだが、タックトレーディングの上島隆会長は「496万トンには97%低グレード品や太陽光パネル生産工程で発生するポリシリコンスクラップを再溶解したリサイクルシリコンは含まれていない。これらは推定70万トン程度造られているようで、この分を加えると年間570万トンの生産だったといえる」と述べる。 一方で需要「内需と輸出の合計は480万トンと見ている」(同)といい、中でも太陽光パネルなどのポリシリコン向けは200万トンを超えたと予想。また有機シリコン向けは推定120万トンだが過当競争で採算割れの生産が継続し、推定72万トンのアルミ合金向け、輸出向けはいずれも前年並みとみられる。年間の需給ギャップは90万トンに上ったため、年間を通じて下げ相場となった格好だ。 来年の見通しについては「現地筋は、25年生産はシリコン・97%低グレード品・リサイクルシリコンの合計で550万~560万トン程度の24年比横ばいと見ている。一方で需要は若干増えたとしても500万トン程度。やはり需給ギャップが継続する環境となる」(同)とし、「25年相場は長期的に低迷すると見ている」(同)とした。