配達遅延が続出 消費税増税が浮き彫りにしたネット宅配の浸透ぶり
消費税アップに伴うネットからの注文急増に、宅配業各社の泡を食った様子が浮かび上がってくる。佐川急便は、3月25日付で自社サイトに「消費税率引上げによるお届け遅延について」というおわびのお知らせを発表。同じくヤマト運輸も26日付で、「取扱量の急増による荷物のお届け遅延」を発表。日本郵便も27日、「ゆうパック等の荷物の送達が遅延する恐れ」と明らかにした。速く正確に荷物を届けることを使命とする宅配業者として、この種のおわびは苦渋の発表に違いない。 佐川急便の広報担当者は「例年のこの時期に今までなかったような混雑ぶり。駆け込み需要があるとは予想はしていたが、どれくらい増えるかは想像できなかった。お歳暮等で、荷物の量が1・5倍になる年末に近いくらいの量」と驚く。 消費者にとって、お買い物といえば、家の外に外出して行なう行為というのが当たり前だった時代は終わりつつある。今回の消費税アップを直前に控えた宅配業の賑わいっぷりは、それだけネットによる宅配がいつの間にか世間に浸透していたことを、図らずも浮き彫りにしたといえそうだ。 (文責・坂本宗之祐)