あまり人気はないけど…実は栄養素がたっぷり含まれている意外な果物とは?管理栄養士が解説
果物にはビタミンや糖質などが豊富に含まれており、お米や肉、魚からでは摂取が難しい栄養素の重要な補給源となっています。 しかし、嗜好品に近いからこそいつも同じ果物を選んでしまうという方も多いはず。 この記事では、あまり人気がないものの実は栄養素が豊富に含まれている果物を、管理栄養士が紹介します。 〈写真〉あまり人気はないけど…実は栄養素がたっぷり含まれている意外な果物とは? ■果物にはどんな栄養素が含まれている?その効果と特徴とは 「果物を食べましょう」という話をよく耳にするかと思いますが、これは果物がビタミンやミネラル、糖質の補給源になっており、体に不可欠な食べ物であるからです。 実際に、それぞれの栄養素がなぜ必要なのかについて解説します。 ■■ビタミン ビタミンは、主に体内の代謝を助ける役割を持っているため、不足すると体に必要な成分の産生が行われなくなります。特に、果物にはビタミンCが多く含まれています。ビタミンCは体内でコラーゲンというタンパク質を合成する役割を持っています。そのため、コラーゲンが不足するとコラーゲンを必要とする組織が正常な機能を失うため、肌の調子が悪くなったり、出血しやすくなったりします。果物は野菜ほど幅広い種類のビタミンを摂取できるわけではありませんが、その多くにビタミンCが含まれているという特徴があります。 ■■ミネラル 果物は、ミネラルの補給源としても重要な役割を果たします。果物には、主にカリウムというミネラルが多く含まれています。カリウムは、体内でナトリウムを排泄する役割を持っているため、血圧低下に効果があると言われています。他にも、筋肉の収縮や体内の浸透圧の調整などにも関与しているため、身体にとって非常に重要なミネラルであると言えます。 ■■糖質 糖質は、身体のエネルギー源になる栄養素です。昨今の健康ブームで悪者のように捉えられがちですが、身体を動かすために最も重要な栄養素であり、特に脳や神経では糖質しかエネルギー源にできないため、不足してはいけない栄養素です。果物に含まれる糖質は主に果糖と呼ばれる成分で、当然血糖値の上昇などを引き起こすため、過剰摂取には注意が必要です。 ■あまり人気はないけど実は栄養素が豊富に含まれている果物4選 ■■ゆず ゆずには、ビタミンCが豊富に含まれています。香りが強く好き嫌いが分かれるゆずですが、ビタミンCの含有量が100gあたり160mgと多いです。成人のビタミンCの摂取基準が、1日100mgですので、ゆず60g程度で1日分のビタミンCが取れる計算になります。また、果汁などにも多く含まれているため、果肉を食べるのがあまり得意ではないという方は果汁を活用してみてください。 ■■すだち すだちも、ゆず同様にビタミンCが多い果物です。すだちには、100gあたり110mgのビタミンCが含まれています。すだちも香りが独特のため、好き嫌いが分かれる果物です。また、柑橘系の果物にはビタミンCが多く含まれている傾向にあるため、野菜や果物の摂取不足を感じたら、柑橘系の果物から導入してみるのがおすすめです。 ■■オレンジ オレンジも、他の柑橘系の果物同様にビタミンCが多い果物です。含有量は100gあたり60mgと、ゆずやすだちに比べ少ないですが、甘さが強くそのまま食べることができ、スイーツなどにも活用できるため、食べやすいというメリットがあります。日本人は、オレンジよりもみかんを好む方が多いですが、みかんに比べるとオレンジのほうがややビタミンCが多いため、選ぶ際の参考にしてみてください。 ■■パパイヤ パパイヤは、ビタミンCとカリウムが多い果物です。パパイヤはスーパーなどでもあまり売られていないため、普段目にする機会が少なく、食わず嫌いをしている方も多いはずです。しかし、ビタミンCとカリウムという果物に含まれる栄養素を豊富に含んでいる、栄養価の高い果物でもあるため、見かけたら一度食べてみてほしい果物です。 ■まとめ あまり人気がないものの、栄養価が高い果物について紹介してきました。 果物は嗜好品として扱われることも多く、値段も高いことから摂取不足になりやすい食品です。 しかし、ビタミンやミネラルなどを豊富に含んだ栄養価の高い食品ですので、普段の生活に少しづつ取り入れていただけると良いと思います。 ▼参考 厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト 文部科学省 食品成分データベース ライター/中村友也(管理栄養士)
中村友也