「頑張れる人」を無理に休ませてはいけない理由 「疲れるくらい楽しい」フェーズをどう過ごすか
そして、「なにかやらなければ」という意識が強くなりすぎているのです。 ■無理に気づかせる行為は危険 ただし、人には「頑張りたいフェーズ」もあります。ですから、頑張っている人に対して、無理に「疲労しているよ」と気づかせようとすることは危険な場合があります。 気づかなければ、もっと頑張れたはずなのに、余計な一言のおかげで、自分が疲れていることに気づいてしまい、バーンアウトしてしまうということがあるのです。
自分の世界観だけで相手のことを見て、「どう見ても頑張りすぎ」と感じたとしても、実は、その人は「頑張れる器」のある人で、今はまだ、疲れていることに気づいてはいけないタイミングなのかもしれません。 東洋医学的には「先天の精」と言いますが、人によって、受け継がれている気の強さ、弱さがあるのです。 無理に休ませようとせずに、頑張らせてあげることも周りの大切な役目であり、多様性のある社会のあり方でもあるでしょう。
パーソナルトレーナーとしても、また、子育て中の親としても思うのですが、教える側は「自分が上がろうとする人」を教えていかなければなりません。時期の早い遅いではなく、その人の経験にもよりますし、タイミングもあるでしょう。 教え子には、「あなたたちができることは、井戸の中に入って手を入れることではなく、上がってこようとしている人の手を引くことだ」と伝えています。 特に、思春期は井戸の中に深く潜りに行く時期ですし、私自身、自分の子供にも手が届かなくなって、何もできないと感じることがありました。
人は、小さな井戸から出て、また違う井戸に入るということをくり返します。学び方も積み重ねも、それぞれ自由でいいと思うのです。 学びや気づきをいつ手に取るかは、本人に決定権があります。だから、その人に決めさせてあげることが愛だとも考えています。 ■「いい加減が良い加減」 私の座右の銘は「いい加減が良い加減」です。そう言えてしまうほど、かつての私はまったく加減のできない、とにかく頑張って生きていた人間でした。