マウントゴックスから20億ドル相当のビットコインを受け取ったウォレットがテスト取引、弁済の準備か:アーカム・インテリジェンス
2014年に破綻した取引所マウントゴックス(Mt. Gox)の管財人から最近20億ドル(約2900億円、1ドル145円換算)相当のビットコイン(BTC)を受け取った暗号資産ウォレットが8月13日にテスト取引を開始した。これは債権者への弁済の準備ではないかと、ブロックチェーン分析企業アーカム・インテリジェンス(Arkham Intelligence)は指摘している。 アーカムのアナリストは、送金を開始したウォレットは、債権者への弁済を担当する5つのサービスプロバイダーのうちの1つである暗号資産カストディプラットフォームのBitGoのものである可能性が高いと述べた。 2週間前には、マウントゴックスのコールドウォレットから弁済用の資金として3万3100ビットコイン、約22億ドル相当が送金されている。 JUST IN: MOVEMENTS FROM $1.95B MT GOX BTC WALLET A Wallet that received $2.19B Bitcoin from Mt. Gox has just initiated test transactions. This wallet bc1q26 is likely Bitgo, the 5th and final exchange working with Mt. Gox Trustee to distribute funds to Mt. Gox creditors. Are… pic.twitter.com/w0j2aCg2Gc — Arkham (@ArkhamIntel) August 13, 2024 アーカムは、ウォレットがBitGoのものである可能性が高い理由を米CoinDeskに次のように説明した。 「そのアドレスは、大規模な入力クラスターを備えており、カストディ構造と使用されているウォレットの種類から、BitGoと特定できた」 一方、マウントゴックス債権者専用のレディットチャンネルでは、一部のユーザーが、BitGoアカウントで資金を受け取ったと述べている。米CoinDeskは確認できていない。 BitGoにこの件について取材を申し込んでいるが、まだ返答はない。 日本に拠点を置いていたマウントゴックスは、ハッキングによって2014年に破綻するまでは、ビットコイン取引所として世界最大規模を誇っていた。14万以上のビットコインとほぼ同数のビットコインキャッシュ(BCH)の弁済は、市場の懸念材料となっている。10年間も資産の弁済を待った債権者が利益確定に動くと考えられているためだ。 マウントゴックスの管財人は7月初旬に弁済を開始、そのニュースを受けてビットコイン価格は5万4000ドルを割った。BitGoの他に、弁済が行われる取引所は、ビットスタンプ(Bistamp)、クラーケン(Kraken)、さらに日本の取引所であるビットバンク(bitbank)、SBI VCトレードとなっている。 マウントゴックスのアドレスには現在、4万6000ビットコインが保管されているが、アーカムのデータによると、7月1日時点の14万1000ビットコインから減少している。 |翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部|画像:マウントゴックス元CEOのマーク・カルプレス氏と対峙する債権者(CoinDesk)|原文:Crypto Wallet Holding $2B Mt. Gox Bitcoin Sends Test Transaction as Distribution Continues: Arkham
CoinDesk Japan 編集部