宇宙で太陽光発電して電力を地球へ。そんなことできるの?
今後の展望
カリフォルニア工科大学プロジェクトチームの今後の展望は、まずSSPD-1のような機体を隊列として打ち上げること。太陽光を浴び、それを電気に変え、そしてマイクロ波で地球に送ること。 計画通りに進めば、地球の特定箇所に直接エネルギーを送ることもできるといいます。長距離送電も可能な想定で、ともなれば、現状電力供給が不安定なエリアにも送電することができることになります。このシステムのメリットの1つに、受信側には大規模設備がいらないという点があります。 地上には、当然マイクロ波受信システムが必要ですが、その設置は簡単なうえ、軽量かつシンプルな作りが魅力。宇宙からのエネルギーを受け取るだけでなく、例えば自然災害や戦地など、電力供給が困難なエリアへの送電に活用できる可能性もあります。 将来的には、大規模な宇宙拠点ソーラーパワーステーションを(可能であれば対地同期軌道上に)設置し、莫大な量のエネルギーを作り出すことが目標です。 石炭や原子力のエネルギーなど、現在の地球の電力所で継続的に生産できるのは、500メガワットから1ギガワットほど。これが、宇宙拠点ソーラーパワーステーションになれば、特定箇所に10メガワットから50メガワットほどの提供が可能。また、送電網の統合によっては、産業界向けにに少なくとも数百メガワットの提供ができる状態を目指しています。
プロジェクトチーム
プロジェクトを率いるのは、カリフォルニア工科大学の3人の教授。 材料工学者のHarry Atwater氏、電気工学者のAli Hajimiri氏、そして航空宇宙工学者のSergio Pellegrino氏。専門分野が異なる3人が集結することで、航空宇宙工学、物理学、電気工学の各専門家をチームに引っ張ってくることができました。 また、Hajimiri氏はいわく、ポスドク研究員、研究員、大学院生、一部の大学生も多く参加し、さまざまなタスクに協力してくれたといいます。
そうこ