テレグラムCEOが保釈後初のコメント、「悪用防止策」を導入
通信アプリ「テレグラム」の創業者でCEOのパベル・ドゥーロフは9月5日、保釈後の初めての公のコメントで、フランス当局による自身の逮捕が「誤ったアプローチ」によるものだと語ったが、プラットフォームの悪用を防ぐために、より多くの措置が必要があることを認めた。 ドゥーロフは5日のテレグラムの投稿で、スマートフォンが存在しなかった時代の法律を適用して、「第三者によって行われた犯罪行為を理由に、プラットフォームの運営元のCEOを告発する」という行為が、誤ったアプローチだと主張した。 ドゥーロフはまた、メディアがテレグラムを「無政府主義者の楽園」と表現したことを否定し、テレグラムでは毎日、「何百万もの有害な投稿やチャンネル」が削除されていると語った。 しかし、彼は同時にプラットフォームの管理が不十分だったという指摘を認め、プラットフォームのユーザー数が9億5000万人に急激に増加したことで、「犯罪者が悪用しやすくなる状況に陥った」と語っている。 ドゥーロフは、この点に関して「大幅な改善を確実に実現すること」を自身の目標にしていると述べた。彼は、プラットフォームがこれらの問題にどのように対処しているかの詳細には触れずに、同社が「すでに社内でそのプロセスを開始している」とだけ述べて、さらなる情報を間もなく共有する予定だと付け加えた。 テレグラムは、5日にFAQ(よくある質問)のページを密かに更新し、違法コンテンツの監視方法の大幅な見直しを示唆した。同プラットフォームは、これまで「違法なコンテンツを見つけた場合、どうすれば削除できますか?」という質問に対して、「チャットやグループチャットはすべて、参加者間のプライベートなものです。それらに関するリクエストには一切応じません」と答えていた。 しかし今回のアップデートで、その回答は「アプリには『通報』ボタンがあり、数回のタップで、違法コンテンツを当社のモデレーターに報告することができます」と記載されている。ユーザーはアプリ上の任意のメッセージをタップして、通報することが可能になっている。 さらに、通報ボタンを押したユーザーは、その理由をスパムや暴力、児童虐待、違法薬物、ポルノなどの複数の選択肢から選ぶことが可能だ。この変更がテレグラムの法執行機関からの要請への対応にどのような影響を与えるかは不明だが、プラットフォームは、ユーザーがabuse@telegram.orgにメールを送信して投稿の削除を要請するオプションも追加した。 ドゥーロフは、自身の投稿で、テレグラムがプライバシーとセキュリティのバランスを見つけるために当局と引き続き協議していくと語った。さらに、「特定の国の当局と意見が一致しないこともある。そのような場合は、その国から撤退する用意がある」と述べて、ロシアとイランの例を挙げた。
Siladitya Ray