ミシュラン「パワー6」はスポーティでいて疲れにくい!より幅広いライダーにオススメ【Webikeタイヤインプレ】
【まとめ】より万人向けの性格に進化、カバーする領域を拡大した
全体的にパワー6はやや穏やかで優しい方向に進化。クイックすぎるハンドリングに疲れてしまう人に最適で、よりビギナーを含む万人向けに振っている。 対して、よりスポーティ指向のGP2は従来のレンジを維持したまま、よりサーキット指向を強めている。従来はパワー5とパワーGPの得意な領域が重なる部分も多かったが、キャラクターの住み分けがより明確になった。 そしてパワー6はロード6がカバーする領域に重なり、GP2はトラック向けのパワーカップの領域に重なっていると言えるだろう。新作のパワー6はよりワイドレンジになりつつ、各タイヤの差別化を図ることにも成功しているのだ。
────────── 【解説】レース技術を注入、前後2CT+にシリカを組み合わせる ────────── 1974年、バイクレースの世界に初のスリックタイヤを投入するなど、常にスポーツタイヤの歴史を革新してきたミシュラン。2024年に投入するパワー6はその最新作にあたる。 ミシュランが提案するスポーツタイヤの新基準として、ウエットやドライ路面での確かなコントロール性能と高いグリップ力を発揮。さらに軽快感のあるハンドリングを実現し、意のままのライディングを狙った。 これを実現すべく、モータースポーツで培ったノウハウを惜しみなくフィードバックした。今まではリヤのみだった2CT+テクノロジーをフロントにも採用。これはハードラバーコンパウンドをベースに、ショルダー部にソフトコンパウンドを上乗せした構造のこと。コーナリング時に最適な剛性とグリップ性を確保し、センター部は耐摩耗性を確保している。 前後ともシリカコンパウンドを組み合わせ、特にコーナーの立ち上がりでスロットルをワイドに開けた時のスタビリティが向上したという。 ボイトレシオ(トレッド全体に対する溝面積の割合)は、従来のパワー5と同じ11%で構成されるが、ショルダー部のスリックゾーンはさらに拡大。最適化されたトレッドデザインを採用することでストリートでのパフォーマンスがさらに向上した。 デザイン性も魅力だ。左右対称のパワー5に対し、非対称パターンを導入。よりスポーティなルックスに進化した。さらにトレッドショルダーにチェッカーフラッグを施したプレミアムタッチデザインもレーシーなイメージを加速させている。
────────── 発売時期は2024年1月予定、新たに250cc向けのサイズも登場 ────────── サイズラインナップは、フロント2サイズ、リヤ8サイズを展開。フロント110/70ZR17、リヤ140/70ZR17などCBR250RRやZX-25Rに対応した250cc向けのサイズも追加された。また新たにドゥカティ・ディアベルなどに対応した240/45ZR17が登場している。
沼尾宏明