人生100年時代の必須スキル エイジマネジメント 生涯現役へ個人と企業ができること
ウェルビーイングを保つ取り組みを習慣化
生涯現役を実現できる労働適応能力を保つには、肉体的、精神的そして社会的なウェルビーイングの3つの側面で自律的な取り組みを習慣にしていく必要があります。 ▼肉体的なウェルビーイングを保つ取り組みの例 ・疲労をためないように休息し、過重労働を避け、良質な睡眠を心掛ける ・身体的な機能を保つために運動を続ける ・定期健康診断やがん検診を積極的に受診し、結果に応じた対処を確実に行う ・過度な飲酒を避けると共に喫煙しない(禁煙する) ▼精神的なウェルビーイングを保つ取り組みの例 ・日々のストレス対処や解消を適切に実践する ・過度な飲酒や過食といった気晴らしを行わない ・肉体的なウェルビーイングを保つことによる精神的な面の効果を意識する ・健康面や個人的なことで困った時には専門家や信頼できる人に躊躇(ちゅうちょ)せず相談する ▼社会的なウェルビーイングを保つ取り組みの例 ・肩書や過去の業績へのこだわりを捨てて、仕事や職場での立ち位置の変化を前向きに捉え、常に学びの機会と捉える ・執着を捨てて、今に集中し、未来のことを思考し、自らが得る物(報酬)より組織や人への貢献を意識する ・これまで培った人間関係を改めて大切しつつ、今後はさらに新しい人間関係を作っていくよう心掛ける 一定の年齢を経た時に送別会を伴う「リタイア」は既に過去のものになっています。今や可能な限り、組織や地域に貢献しようとする人が求められる時代です。 40歳、50歳、60歳というような人間の頭で考える暦に基づく年齢、あるいは還暦のような区切りを手放して生涯にわたって現役でいること、そのために労働適応能力を保つこと、エイジマネジメントに役立つ取り組みを習慣にしていくことが、令和時代の働く人の真の成功を導き出すのではないでしょうか。
健康企業代表・医師 亀田高志