沖縄県が米国に営業実態ない株式会社、県議会3会派が監査請求する動議を提出へ「手続きが不透明だ」
沖縄県が米ワシントン事務所を運営するため営業実態のない株式会社を米国に設立していた問題で、県議会反知事派の自民党、公明党、日本維新の会の3会派は25日、問題を調査するプロジェクトチーム(PT)を設置し、議会として県監査委員に監査請求する動議を26日の定例会に提出する方針を固めた。県幹部は25日、同社の株式を公有財産登録していなかったことを県議側に謝罪し、是正する方針を示した。 【写真】沖縄県のワシントン事務所が入る建物=沖縄県のウェブサイトから
事務所は2015年、県が米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設反対などを米側に直接訴える目的で開設した。米政府から「政治的だ」として事業者登録に難色が示されたため、米国弁護士の助言で県全額出資の株式会社を設立し、駐在職員は企業の転勤者向けビザを取得した。
溜政仁・県知事公室長は同日、自民県議らに調査結果を伝えた。株式の公有財産台帳への未登録のほか、庁内に会社設立を決定した際の意思決定文書が残されていないことも報告。15年の会社設立を追認するため、改めて文書を起案して是正するとした。
溜氏は不適正な管理について、「深くお詫び申し上げる」と謝罪した。しかし、会社設立やビザ取得の手法に関しては、「法人の成立やビザの申請内容は実態と齟齬がないことが確認され、改善を要する事項は認められない」と説明した。ただ、ビザ取得時に県と職員の雇用関係を否定する書類を米政府に提出したことの説明はなく、自民県議は「不十分だ。議会で徹底的に追及したい」と語った。
自民など3会派はPTで、県の手続きに欠陥がないかの調査や有識者へのヒアリングなどを行う。26日の本会議では「手続きが不透明だ」などとして監査請求の動議を提出する方針。3会派は6月の県議選で多数派に転じており、賛成多数で可決される見通しだ。