いよいよQRコード乗車スタート 切符にまで導入の「QR」 カブらない理由は「10の78乗」通りのパターン 「数万年は枯渇しません」と開発会社 同じコード2回出現の心配はなさそう
鉄道各社がQRコードの利用を進めている。関西では、主要な鉄道が乗り放題となる新しい乗車券、「スルッとQRtto(クルット)」が6月17日に発売される。その名前通り、QRコードを使用した「乗車券」だ。スマートフォンに表示したQRコードを改札機の読み取り部にかざすことで、そのまま「チケットレス」で乗車できる。電車だけでなく、バスや提携する観光施設でも利用できるという。
また、JR東日本など首都圏の鉄道8社は5月29日、現在の「裏面に磁気が付いた切符」を、「QRコードを印刷した切符」に切り替えると発表した。「切符を改札機に通す方式」から、「券面(QRコード)を改札機の読み取り部にかざす方式」に変更する。磁気切符の「リサイクルしにくい」などの欠点解消につながるという。2026年度末から順次実施する予定だ。 今や、あらゆるところに利用されているQRコード。すっかり生活の一部となっている。しかし、これだけQRコードが社会にあふれていて、さらに鉄道の切符にまで利用となると、同じものが出現して混乱が起きたりしないのだろうか? QRコードを開発したのは日本の会社。愛知県に本社を置く株式会社デンソーウェーブ(開発当時は株式会社デンソーの一部門)が、1994年に開発した。QRコードについて、デンソーウェーブ広報の小島秀治さんに詳しい話を聞いた。
■バーコードの数百倍の情報
【株式会社デンソーウェーブ広報 小島さん】 QRとは「クイック・レスポンス」の略で、その名の通り、超高速で読み取れるのが最大の特徴です。そして、縦横2方向の二次元にすることで、数字なら最大7089文字と、バーコードの数百倍の情報を、小さなスペースで表現できるのです。
QRコードを見ると、左上、右上、左下の3か所に「四角形」があると思います。これは「切り出しシンボル」といって「位置を検出するためのもの」です。「ここにQRコードがありますよ」ということを3つのシンボルで示すことで、特定が早くでき、高速読み取りができます。そして、四隅の中で1つ、四角がない所が右下です。右下に切り出しシンボルを作らないことで、QRコードの向きを正確に読み取れるのです。