【売上が激増する公式】“単価×販売数”を最大化する2つの方法とは?
「仕事が遅い部下がいてイライラする」「不本意な異動を命じられた」「かつての部下が上司になってしまった」――経営者、管理職、チームリーダー、アルバイトのバイトリーダーまで、組織を動かす立場の人間は、悩みが尽きない……。そんなときこそ頭がいい人は、「歴史」に解決策を求める。【人】【モノ】【お金】【情報】【目標】【健康】とテーマ別で、歴史上の人物の言葉をベースに、わかりやすく現代ビジネスの諸問題を解決する話題の書『リーダーは日本史に学べ』(ダイヤモンド社)は、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康、伊達政宗、島津斉彬など、歴史上の人物26人の「成功と失敗の本質」を説く。「基本ストイックだが、酒だけはやめられなかった……」(上杉謙信)といったリアルな人間性にも迫りつつ、マネジメントに絶対活きる「歴史の教訓」を学ぶ。 ※本稿は『リーダーは日本史に学べ』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。 ● 会社の業績を改善する たった2つの方法 会社の業績を改善するには、「売上高を増やす」か「コストを減らす」か、その両方をやるしかありません。そのうち、ここでは売上高を増やすことについて触れます。 売上高というのは、商品・サービスの「単価」と「販売数」のシンプルな掛け算で決まります。 売上高 = 単価 × 販売数 ● 強者の戦略、弱者の戦略 この公式を前提にすると、売上高を増やす方法は、次の2通りしかないことがわかります。 1. 商品の価値や評価を上げることにより単価を上げていく 2. コストを下げることにより単価を下げ、販売数を増やしていく 基本的に1か2のいずれかを選択しますが、低コスト競争で勝つことができる大企業であれば2を選択できますが、中堅・中小企業であれば1を目指すのが得策です。 とはいえ、これまで販売していた商品の単価を急に上げれば、販売数が落ちるだけです(2022年からの原材料高にともない多くの商品が値上がりするような状況では別です)。 ● 米沢藩主・上杉鷹山の教え 商品の単価を上げるためには、商品の付加価値を上げて、お客さんの評価を上げるようなとり組みが必要です。 江戸時代に米沢藩主・上杉鷹山が実践した絹織物業のとり組みは、紅花や生糸という原材料をベースに絹織物という商品をつくることにより、付加価値を上げてお客さんの評価を上げ、単価を上げるとり組みだったといえます。 ● 商品の付加価値を上げる 方針をリーダーが示す では、単価を上げるには、具体的にどのように進めればよいのでしょうか? まずは関わる人の意思統一が肝心ですから、リーダーが商品価値向上のための方針を明確に提示します。 鷹山のように、原材料を加工して完成品をつくることで単価が上がって収益が増えることを伝えるのです。 ● 顧客の要望に合わせて 素材を加工 私がコンサルティングしている売上高100億円規模の化学品関連の専門商社でも、商品を仕入れてそのまま売るのではなく、自社工場でお客さんの要望に合わせて素材を加工することで、商品単価を上げています。 その結果、現在では経常利益率が10%を上回る(業界平均4%程度)高収益な企業となっています。 ● どのような方法による 単価向上が適切か? ほかにも単価を上げる方法としてはいくつかの手段があります。メーカーであれば、テレビや洗濯機といった製品に、以前にはなかった「機能」を追加することにより、単価を上げることがあります。 IT業界であれば、システムを導入した後、保守・メンテナンスなどの「サービス」を加えることも、システム全体の単価を上げることにつながります。 いずれにしても、商品の特性・特長を踏まえたうえで、どのような方法による単価向上が適切かを見定める必要があります。 ※本稿は『リーダーは日本史に学べ』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。
増田賢作