「1ドル500円になる」元モルガン銀行東京支店長が日本に最終警告!「お札が紙切れになる日はもうすぐくる」…円安はもう止められない
今、増税したところでもう遅すぎる…日本からアメリカにお金が流出するのは必然
ーー最近、増税に関するニュースが増えています。財政健全化を目指す動きかと思いますが、藤巻さんはどう評価しますか。 はっきり言って、対応が遅すぎます。日本はこの40年間で、世界的に見ても最低レベルの経済成長率しか達成できておらず、財政状況も極めて悪化しています。それにもかかわらず、中央銀行が過剰に紙幣を供給して財政破綻を回避させている状態が続いています。そして、この異常な状況から抜け出す具体的な方法を、誰も見出せていないのが現状です。 これが何を意味するのかというと、通貨の価値はその国の国力を反映するということです。経済が強い国では金利が高く、景気も良いため株価が上昇し、投資の機会も豊富です。 一方で、経済が弱い国ではその逆の現象が起こります。そのため、弱い国から強い国へ資本が流れるのは自然な流れです。したがって、日本円が米ドルに対して価値を失っていくのは、当然の動きと言えるでしょう。 この流れを止めるためには、国全体の国力を底上げするための抜本的な政策が必要です。
今、減税を実施すれば、国が破綻して日銀は債務超過に陥る
ーー増税のニュースが目立つ一方、多くの野党は減税を訴えています。 今回の衆議院選挙では、減税を掲げた政策が多く注目を集めました。しかし、現状の財政がこれほど悪化している中で減税を実施すれば、国の財政が破綻する可能性があります。 実際には、補正予算として13.9兆円という規模の財政支出が行われ、その財源として6.6兆円もの国債が増発されています。資金が枯渇している国が減税を行い、国債を発行し、その国債を日銀が買い入れて紙幣をばらまくような状況では、当然ながら円の価値が失われるのは避けられません。 これまで日銀は国債を大量に買い入れることで市場を支えてきましたが、最近では「買いオペ減額」を表明しています。その一方、補正予算成立の結果、国債が増発されれば国債の需給が崩れ価格暴落の可能性(=長期金利暴騰)があります。その結果、日銀は債務超過に陥り、さらなる経済混乱を招くことになるでしょう。 そのため、減額を実行することは非常に困難であり、今後、再び買いオペを増額する可能性もあります。しかし、そうなれば、いよいよ円の価値が大幅に下落し、深刻な経済危機を引き起こす恐れがあります。
藤巻健史