村田の世界再戦はノーモア疑惑判定でジャッジ全員入れ替わりフェアな構成
またレフェリーも、あの世紀の一戦と言われた2015年5月のフロイド・メイウェザー・ジュニア対マニー・パッキャオ戦を裁いたケニー・ベイレス氏(米国)が務めることになった。 今回のオフィシャル構成を見る限り、再び疑惑の判定が生まれる可能性は少ない。むしろポイントアウトでの判定勝利にしか、防衛の活路がないチャンピオンのエンダムにとっては、ごまかしの通用しない“包囲網”を敷かれた格好だ。判定を捨てて勝負に来てくれれば、KO決着を狙う村田陣営の思う壺である。 この再戦は、トップランク社が提携を結んでいる米国のスポーツ専門チャンネルのESPNによって全米に生中継をされる。米国の東海岸では午前7時という時間帯のため、再放送されることも決まっているという。 前回の試合は、家庭の事情で来日できなかった超大物プロモーターのボブ・アラム氏は、「この試合に勝てば2018年は、アメリカで試合を組みたい」と、米国への本格進出を約束。トップランク社でマッチメイクを担当する人物までをわざわざ連れてきた。 「カネロ、ゴロフキン、ロンドン五輪の決勝で村田と戦ったファルカンでも面白いかもしれないが、いずれにしろ2018年の終わりには、村田は、パウンドフォーパウンドに名を連ねているだろう」 ドローに終わったミドル級の3団体の統一王者、ゲナジー・ゴロフキン(カザフスタン)と、元2階級王者、サウル“カネロ”アルバレス(メキシコ)の2人は、再戦の方向で進んでいて、12月16日には、当初、村田陣営が対戦を探っていたWBO世界ミドル級王者のビリー・ジョー・サンダース(英国)が、敵地カナダに乗り込んで、元IBF同級王者のデビッド・レミュー(カナダ)を相手に防衛戦を行う予定。 WBCの挑戦者決定戦に勝ったジャモール・チャーロ(米国)、元WBA世界ミドル級王者ダニエル・ジェイコブス(米)らもチャンスを伺って混沌としているミドル級戦線に村田が、ESPNの電波に乗った試合で、全米にインパクトを残してチャンピオンになれば、新風を吹き込むことは間違いない。 「ベルトを取れば、そこから始まるストーリーもある」 世界戦の向こう側に開ける未来は村田のモチベーションのひとつでもある。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)