車の魅力を若い世代に伝える秘策とは?|『Octane』UKスタッフの愛車日記
『Octane』UKスタッフによる愛車レポート。1965年オースティン・ヒーレー3000 MkIIIに乗るマーティンによる、自動車イベントについての考察。 【画像】レンジローバーのアクロバティック走行も披露!幅広い層に人気のモーターイベント(写真2点) ーーーーー 私たちのオースティン・ヒーレーは、ケント州に保管されていて、近くのリーズ城では「モーターズ・バイ・ザ・モート(堀のそばに佇む車)」のイベントが開催される。「お父さんが持っていた車」をテーマにした1970年代のクラシックカーのショーのみならず、堀に囲まれた中世の城の前でスタントカーの展示やパレードも行われる。 私は長年にわたり、世界の偉大なるコンクールのほとんどに参加してきたが、中には多くのエンスージアストを排除する傾向もあると感じている。そんなこともあり、若い車好きに訴求するイベントに参加するのは、とても興味深かった。 当日の天気予報は気温24℃かつ降水確率ゼロ。私は早めに出発し、幌を開けてオープンカーでドライブを楽しんだ。会場へ到着し、広場に車を停めたときには、堀にはまだ霧がかかっていた。 城が一般客に公開される頃には、私はすでに展示車のチェックをしていた。フェラーリ、ポルシェ、ランボルギーニ、マクラーレンが並び、アルファロメオクラブは、とても気品のあるモントリオールと、イギリスではたまにしか見かけなくなったアルファスッドを展示していた。道の反対側では、マルチェロ・ガンディーニの傑作を一目見ようとする若い家族連れで賑わっていた。インスタグラム用のお目当ての車はカウンタックだ。 南東エリア有数の観光地で開催されたこのショーには、大勢の観客の来場が見込まれていた。午前11時になると、最初のアクションイベントが堀で行われた。ジェットスキーの展示エリアでは、イギリスやヨーロッパの元チャンピオンがジェットスキーを360度回転させたり、何度もループしてしぶきを巻き上げながら、観客を沸かせた。その後も観客の「ニード・フォー・スピード(スピードの探求)」な気分を維持するため、ハリウッド映画のスタントドライバー、テリー・グラントが、城の道沿いでショーを行った。彼は、小型のストックカーを見事に操ってドーナツターンやバーンアウトを披露し、最後にはレンジローバースポーツで片輪走行をしながら丘を駆け上がった。素晴らしい! 「モーターズ・バイ・ザ・モート」は他のイベントとは少し違った趣があった。車好き向けに様々な催しがあったが、特に勢いあるアクションものは、新しく幅広い層の人々を魅了したことだろう。様々なカー・クラブでは普段から「若いメンバーを増やすことが必要だ」と言われている。もしかすると、こんなイベントが解決策になるのかもしれない。 文:Martyn Goddard
Octane Japan 編集部