７回、吉川の打球を処理も、一塁に悪送球する（撮影・中田匡峻）

　「阪神１（降雨コールド）３巨人」（１日、甲子園球場） 　阪神は接戦の末に巨人に敗れた。これで甲子園での連勝は８でストップ。好機であと１本が出なかった。首位広島とは５・５差、巨人とのゲーム差は５となった。デイリースポーツ評論家の藤田平氏は「タイガースが巨人に『弱点』を突かれた」と指摘した。 【写真】またやった～！両リーグワースト21失策の佐藤輝　痛恨の悪送球　雨中、悲しすぎるシーン 　　◇　　◇ 　相手の弱点を突く。これが勝負の鉄則だ。タイガースが巨人に『弱点』を突かれた。ディフェンスの弱い、ミスしてくれそうなところを狙われる。勝ち越しを許した七回。巨人打線にバントなどで集中的に揺さぶられた三塁手・佐藤輝の守備のミスが敗因となった。 　そもそもの始まりは、この回先頭だった大城卓の左前打。カウント１ボール２ストライクと追い込んでからのライナー性の打球で、佐藤輝が飛びついていれば捕れていたかもしれない。もっと、１アウトを取ることへの強い気持ちを見せてほしい。 　そして、次打者・吉川の犠打を佐藤輝が一塁悪送球。無死一、三塁となって、門脇にスクイズをファウルさせるなどして１ボール２ストライクに追い込んでから、勝ち越し適時打。大城卓とともに追い込んでからの安打だっただけにバッテリーも悔いが残るだろう。 　最後は小林のセーフティースクイズ。佐藤輝はゴロ打球を捕球してグラブトスしたが犠打野選の形で追加点を許した。ベンチのコーチ陣からスクイズの可能性を確認させる声がけも必要だし、佐藤輝はスクイズ警戒の準備が必要。本塁でアウトにできるような事前の心がけをしなければならない。 　打線が先制した初回に１得点で終わってしまったことも響いた。相手先発は好投手の菅野。そう簡単にはチャンスを作れない。初回は相手守備の乱れなどで好機をつくったからこそ、一気に畳みかける複数得点でほしかった。 　シーズンも終盤だ。再度、チームとして引き締め直さなければならない。