福岡拠点の豪邸建築家・松山将勝さんが感動したホテルは沖縄の伝説的リゾートホテル!
福岡を拠点に全国で活躍されている建築家の松山将勝さん。住宅をはじめクリニックや病院の設計も多く手掛け、地域性を生かし、住み手や患者の方に配慮した建築はどれもホスピタリティにあふれています。「趣味も特技も建築」だという奄美大島出身の松山さんに、これまでで最も感銘を受けたホテルや憧れの宿についてお聞きしました。 【写真を見る】建築家・松山将勝さんが感動したホテル、憧れの宿
1.松山さんがこれまでで、最も感動した宿「ザ・ムーンビーチミュージアムリゾート」(沖縄)
沖縄の恩納村に立つ「ザ・ムーンビーチミュージアムリゾート(旧称:ホテルムーンビーチ)」は、三日月形の美しいビーチである月乃浜に1975年に創業しました。設計は沖縄出身の建築家で「海洋博記念公園沖縄美ら海水族館」なども手掛けた國場幸房(こくばゆきふさ)。南国ならではの光と風を取り入れた建築様式と敷地内にふんだんに植えられた亜熱帯植物、眼前に広がる海とのコントラストが特徴的な歴史あるリゾートホテルです。 「建築家の職業病でしょうか。やはり建築の形式や素材は自然にチェックしてしまいます。このホテルムーンビーチ(現在名はザ・ムーンビーチミュージアムリゾート)は、沖縄返還直後の1975年に沖縄のリゾートホテルの先駆けとして誕生。巨大なピロティと吹き抜け空間がダイナミックに展開し、外部と内部が曖昧に連続する構成は、この地の風土性から生み出されました。約50年経った現在でもその骨格は衰えることのない國場幸房の最高傑作だと思います」 ザ・ムーンビーチミュージアムリゾート
2.松山さんが海外で感動したホテル「ナイ パラッド ハイダウェイ 」(フィリピン)
奄美大島で生まれ育った松山さん。いわゆるリゾートの景色は自らの原風景に近く、それゆえに感動ポイントのレベルも高いはず。しかしながら海外でも感動したホテルは、いわゆるモダンな都市型のホテルではなく、やはり海に囲まれたリゾートホテルでした。ここは知る人ぞ知るフィリピンのシアルガオ島に立つオールインクルーシブでラグジュアリー感あふれるリゾートホテル。設計はダニエル・プーゼが手掛けました。 「建築を創造する側の立場にいるので、たくさんの人々と常に関わりながらすごい速度で毎日を過ごしていると、その日常から逃避行したいという願望が生まれます(笑)。プライベートの旅では、日常の喧騒を忘れ、ありのままの自然に身を置き、心身がリセットできる環境があることが、ホテルや宿を選ぶ基準です。シアルガオ島の南東端に位置し、太平洋に面した白砂のビーチと古代のマングローブの森に挟まれたこの場所は、まさに楽園でした。この地の伝統と現代的なスタイルを融合したヴィラが10棟だけで運営されている極上のプライベートリゾートです」 ナイ パラッド ハイダウェイ/Nay Palad Hideaway