預かった猫が隙間から脱走 ペット探しを依頼するも悪質で失敗、自分たちで探す!
捕獲の予感
川田さんは、アンレーが逃げた日から毎日、朝の出勤時間前と帰宅後の夕方、深夜の1日3回、近所をまわりアンレーを捜索していた。しかし、そんな努力もむなしく、アンレーは2日目以降なかなか姿を現さなかった。 「『アンレー』と呼びながら探していると、空き家の方から応える声がするんです。でも、近くにいるはずなのに、なかなか捕獲器に入ってくれず、イライラが募りました。もうやれることはすべてやろうと思って、ネットで見つけた『猫が帰ってくる呪文』を家に貼って毎日お祈りまでしていましたね」 そんな状況が続き、1週間たった日の朝、川田さんは予感とともに目覚めた。 「あ、もうすぐアンレーが帰ってくる! 目が覚めた瞬間、そんな気がしたんです。きっと汚れているだろうと思い、猫用のシャンプーとからだを拭く新しいタオルを買いにスーパーに走りました。ついでに捕獲器に仕掛けていた餌も変えようと思い立ち、猫用のかつおぶしと無添加のにぼしも買ってきました。それから、餌をセットする際になんとなくひらめいて、捕獲器の場所をそれまで置いていた空き家から、わが家の敷地のアンレーがベランダから着地したあたりに変えてみました」 川田さんは、自分の直感に従いアンレーの帰宅を待った。すると……。 「翌朝5時半ごろでした。捕獲器が閉まる音がして、急いで確認しに行ったらアンレーが入っていたんです!」 アンレーは捕獲機の中で小さくなっていたが、ケガをしている様子はなかった。
それぞれの猫に合った脱走対策が重要
【今回の脱走から学んだこと】 ・他の猫が通らないような隙間でも、猫によっては脱走経路になってしまう。 ・ペット探偵を依頼する際は、料金や専門性を比較検討する。契約内容が証明できるようにしておく。 「家に連れて帰り、玄関で捕獲器の入り口を開けると、一目散に走っていきクローゼットに隠れました。汚れたので前日に買っておいたシャンプーで洗ってやると、生まれて初めてのお風呂に動揺したのか、普段はおとなしい子なのに手首をかまれてしまいました」 きれいになったアンレーは川田さんの夫が仕事を休んで、大阪の娘のもとに送り届けた。娘はすでに旅行から帰っていた。 「飼い主の元に帰宅したアンレーは、一足早く娘の元に帰っていたラルゴにひどく怒られていましたね。普段は穏やかなラルゴがあんなに怒っているのを初めて見たので、私も娘も驚きました。脱走の報告を受けてから旅行を楽しめなかった娘も、アンレーが無事に帰ってきてほっとしたようです。娘に対して罪悪感がありましたが、なんとか許してもらえました」 自宅の猫の脱走経験から、脱走対応は慣れているつもりだったという川田さんだが、アンレーの脱走を通して、新たな気づきを得たと言う。 「当たり前ですが、猫によって目をつける場所が違う。うちの猫が通らない場所をすり抜けて逃げるとは思いもしなかったので、猫を預かる方や新しくお迎えする方は注意が必要です。もうひとつの反省は、ペット探偵の探し方。テレビなどの影響もありペット探偵を名乗ったり、ペット探しをしている業者は増えているようですが、検索してすぐに出てきたからといって安易に信用せず、『価格が明確であるか』『ペット探しが専門か』を調べて、比較検討しておけばよかったと思います。依頼の際は、メールで契約内容の控えをもらっておくなど、契約内容が証明できるものを残しておくと安心ですね」 川田さんの経験を脱走対策やペット探偵探しに役立ててほしい。