「筋肉の向き」を考えずにストレッチしてはいけない…間違った知識では体が硬くなる
筋肉は「ヨコに揺らす」が正しい
「認知のズレ」を修正するために、まずはあなた自身の体と対話してみてください。 対話といっても、けっして難しいことではありません。 じつは日常的に、無意識のうちにあなたがやっていることです。 たとえば、パソコンを使いすぎたときに「肩がこったな」「体がギシギシ硬くなってるな」と背伸びしたり肩を回したりしたことが、きっとあるはず。ボディプリパレーションはその延長線上にあるものと気楽に捉えてください。 体の違和感は、不調がひどくなったから発された体からのサインです。その少し手前で気づいて、体をほぐしてあげるということを拙著『朝起きてすぐ動きたくなる体』における最大のメッセージとしています。 ここから疲労回復のカギとなる「筋肉」にフォーカスしていきます。 筋肉のケアとしてなにが適正なのかを探るため、まずは「ストレッチ」から見ていきましょう。 運動をすると筋肉が傷つくとされています。それなのに、運動後に入念にストレッチする人がいます。 傷ついた筋肉がより伸びて、より傷が深くなる可能性が高い。疲労は回復しにくいし血流だって悪くなるかもしれません。でも「みんなが運動後のクールダウンが大切だと言うから、なんとなくやっている」「コーチや監督に指導されてやっている」、そんな人が非常に多いのです。これは自分の体と対話していない証拠です。 スポーツを習慣化してはいなくても「明日のために」と、遠い昔に覚えたストレッチを習慣化している人は多いものです。「かつての自分の体」と「今の自分の体」はまったく別物だというのに、惜しいことです。 若い頃は体の柔軟性がまだまだありますから、開脚や屈伸、屈曲などのストレッチエクササイズも十分に効果があったでしょう。ですが、大人になって体がガチガチの状態で昔と同じ動きをしても、逆効果。硬くなった筋肉をいきなり前のように伸ばそうとするから、筋線維が痛んでしまい、結局体が硬くなってしまいます。