【速報】日銀が金融政策決定会合で政策金利の維持を決定 米大統領選など国内外の経済情勢見極め12月以降の利上げ判断へ
日本銀行は30日と31日に開いた金融政策決定会合で、現在0.25%としている政策金利を据え置くことを全員一致で決めました。 ▼変動型住宅ローンの一部で金利引き上げ 約17年ぶり 27日の衆院選で自民・公明の与党が大きく議席を減らしたことに加え、来月5日にはアメリカ大統領選の投票を控えています。世界経済や金融市場の先行きが不透明感を増す中、日銀としては国内外の情勢を、なお見極める判断をした形です。 次回12月の決定会合以降に政策金利の引き上げを本格的に検討することになります。このあと午後3時半から日銀の植田総裁が記者会見し、決定内容を説明します。 植田総裁は政策維持を決めた前回9月の決定会合後の会見以降、利上げの判断にあたって「時間的な余裕はある」との考えを繰り返し示してきました。 ただ、日銀内には、この「時間的余裕」という表現が「日銀は利上げを急がない」という印象を過度に与えているとの意見もあります。 また、衆院選で与党が過半数を割り込み、法案成立のため利上げに慎重な野党との連携が必要になることから、早期の利上げは難しくなるとの見方が市場の一部に広がり、円安が進む要因の一つとなっています。 こうした中、会見で植田総裁が今後の利上げのペースに関して、どのような言葉で語るかが焦点となります。
●展望レポートでも「米国をはじめとする海外経済の今後の展開や金融資本市場の動向を十分注視」
また、今回の会合では、日銀が3か月ごとに経済や物価の見通しを示す「展望レポート」も公表されました。 今後の金融政策運営については「先行きの経済・物価・金融情勢次第であるが、現在の実質金利がきわめて低い水準にあることを踏まえると、(日銀による)経済・物価の見通しが実現していくとすれば、それに応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことになる」という基本認識は、前回7月の見通しを踏襲しました。 一方で、「米国をはじめとする海外経済の今後の展開や金融資本市場の動向を十分注視し、わが国の経済・物価の見通しやリスク、見通しが実現する確度に及ぼす影響を見極めていく必要がある」と留保もつけています。 また、実質GDP(国内総生産)や消費者物価指数の見通し(各政策委員の見通しの中央値)は以下の通りです。 <実質GDP> 2024年度 +0.6%(前回7月時点の見通し +0.6%) 2025年度 +1.1%(7月時点 +1.0%) 2026年度 +1.0%(7月時点 +1.0%) <消費者物価指数(除く生鮮食品)> 2024年度 +2.5%(前回7月時点の見通し +2.5%) 2025年度 +1.9%(7月時点 +2.1%) 2026年度 +1.9%(7月時点 +1.9%)