“大物親中派”が消えた理由――平成の政治改革と日中パイプ
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1972年9月の日中国交正常化から半世紀が経過した。しかし、日中両国間でこれを慶賀するムードは乏しい。両国関係がなぜ悪化したかという問いには様々なレベルで答えることができよう。構造的な要因としては、中国の国力が増大したことによって、日中間のパワー・バランスが大きく変化したことが挙げられる。また領土問題や歴史問題の対立のなかで先鋭化した日中両国のナショナリズムの存在も無視できない。 一方でしばしば指摘されるのは、かつて存在した日中間をつなぐ強力なパイプの不在である。本稿では、日本の政治改革に併せて日中関係を支えてきた政治パイプが、どのように変化し、なぜ衰退したかを明らかにしたい。
本文:4,922文字
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井上正也