外国語を使う仕事に就きたいです。「翻訳家」と「通訳者」で年収が高いのはどちらですか?
ともに「言葉を訳す仕事」である、翻訳家と通訳者。外国語のスキルを生かせる仕事がしたい方は、どちらの道に進むか悩むこともあるでしょう。 しかし、翻訳家と通訳者では、仕事の内容や必要なスキルが異なります。そのため、翻訳家と通訳者を比較する際は収入だけでなく、自身の適性にも意識を向けることが重要です。 今回は、翻訳家と通訳者の働き方の違いを確認したうえで、それぞれの平均年収をご紹介します。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
「翻訳家」の働き方
翻訳家とは、外国語の文章を日本語に訳したり、日本語の文章を外国語に訳したりする職業です。業務は「出版翻訳」と「産業翻訳」に大別され、仕事を獲得するまでの流れや、必要なスキルはそれぞれ異なります。 ■出版翻訳とは 出版翻訳とは、学術書や文芸書などを翻訳する仕事です。学術書なら学問的な知識が、文芸書なら文学的な才能が求められます。 出版翻訳を主業務とする場合は、フリーランスで働くのが一般的です。仕事を獲得するためには、出版社に持ち込んだり、コンテストに応募したりといった積極性が求められます。 ■産業翻訳とは 産業翻訳とは、契約書やマニュアルなどを翻訳する仕事です。最新技術などに関する内容も多く、専門的な知識が求められます。とくに一般向けに翻訳する場合は、知識がない読者でも理解できるレベルまで言葉をかみ砕く必要があり、内容への深い理解が不可欠です。 フリーランスが多い傾向にある出版翻訳業界に対し、産業翻訳業界では、翻訳会社などと契約する形態が一般的です。具体的には、翻訳会社のトライアルを受け、その結果に応じて仕事の発注が決まります。
「通訳者」の働き方
通訳者とは、異なる言語を使う人たちの間に入り、話し手の言語を聞き手の言語に訳す人のことです。 通訳の方法は複数あり、話し手が一定のまとまりで話し、通訳者が通訳する作業を繰り返す「逐次通訳」や、国際ニュースのように、聞きとりと通訳を同時に行う「同時通訳」が挙げられます。どの通訳方法を習得するかによって、活躍の場も異なります。 厚生労働省の「職業情報提供サイト(日本版O-NET) job tag」によると、通訳者の就業形態は、「自営、フリーランス」が61.4%で最多となっています。仕事を獲得するには、派遣会社に登録したり、知人から紹介されたりといった方法があります。翻訳家や大学教員と兼業しているケースも少なくありません。