ラーメン官僚が太鼓判を押す、栃木県の本当に美味しいラーメン【4】
『中華そばとちの葉』
先述のとおり、栃木県においては、県庁所在地である宇都宮市のみならず、小山市や栃木市でも多彩なラーメンが食べられる環境が構築されており、名のある店舗も複数存在する。『中華そば とちの葉』は、同じく栃木市内を代表する実力店『麺堂HOME』の2ndブランドであり、まさに、上記の要件に該当する店のひとつだ。 店舗外観は、ファザードを目にしただけで、類まれなセンスの良さが実感できるもの。蔵のまち・栃木市らしく、蔵をリノベーションして造られたスポットの一角を活用。ほど良い「非日常感」が、必ずや、訪問客の気分を高揚させてくれることだろう。 カウンター8席のみの店内は、和の趣に満ちあふれ、着席した段階でテンションは最高潮に。提供される麺メニューは、「熟成醤油そば」、「純鶏出汁中華そば」など複数に及ぶが、最初に実食すべきは、メニューリスト筆頭を飾る「熟成醤油そば」だ。
スープは、国産鶏の鶏ガラ・丸鶏・モミジのリッチな味わいが余白なく切り出された清湯出汁に、厳選し全国各地から取り寄せた醤油を贅沢に使用したカエシを重ね合わせたもの。鶏の骨太なコクを支えとしてグッと背筋を伸ばすカエシの芳醇な風味が、ダイレクトに快楽中枢へと訴えかける、繊細さと雄々しさを兼ね備えた盤石の構成。一度口を付けたが最後、レンゲを持つ手を止めることは困難だ。 地元・栃木市の製麺所『磯屋商店』へと特注したストレート麺のすすり心地も、この上なく滑らか。「栃木・淡麗ラーメン界の名手、ここにあり」。非の打ちどころが全くないその味わいから、店主のラーメンに懸ける情熱が垣間見えるような気がする。 以上、4回にわたって栃木県のエリアごとの推奨店をご紹介したが、これらは同県の優良店のごく一部。私が、直近数ヶ月内に訪れたラーメン店の中から、同県の特徴にマッチする店舗を選んだに過ぎない。エリアごとに全く異なるタイプの1杯が楽しめる栃木県のラーメンシーン。皆さんもぜひお気に入りの1軒を探し出してもらいたい。