児童文学連続講座「子供の読書環境」3/31まで録画配信
国立国会図書館国際子ども図書館は2024年12月17日、全国の図書館員らを対象に2024年度「児童文学連続講座」の録画配信を開始した。テーマは「変わる!子どもの読書環境と児童文学」。デジタルメディアの普及にともなう子供の読書環境の変化について考察する内容となっている。配信は2025年3月31日まで。
近年、情報機器の発達により、子供たちは日常的にデジタル端末に触れる機会が増えている。映像作品やゲーム、電子書籍など、紙以外の媒体で物語を楽しむことが一般的になりつつある。このような状況を受け、講座では子供たちの現状と児童文学、読書の関係について議論することを目的としている。
講座は10月28日と29日に現地とオンラインで開催。12月17日から録画配信を開始した。録画配信期間は2025年3月31日まで。視聴は無料で、申込みが必要となる。なお、配信にはグループディスカッションの科目は含まれていない。
講義では、初日の午前に東京大学の佐藤賢輔特任助教が「デジタルメディア環境の変化と子どもの発達」について講演。デジタルメディアが子供の発達に与える影響を国内外の研究結果をもとに概説し、デジタルメディアと子供の読書の関係性についても触れた。
午後の講義では、武蔵野大学の藤本恵教授が「変わる/変わらない子どもの本―人気シリーズ『ゾロリ』『ルルとララ』の再検討―」をテーマに、映像作品やゲームが子供たちに与える影響と、古典的な児童文学の魅力について考察した。
2日目には、都留文科大学の日向良和教授が「子どもの読書とゲーム」について講演した。相反するものと捉えられがちなゲームと読書について、図書館での取組みを紹介しながら、両者の「いい」関係について考察した。
また、専修大学の米村みゆき教授は「童話と映画のあいだ―『魔女の宅急便』―」をテーマに、宮崎駿のアニメーション映画と児童文学の関係を探った。さらに、国立国会図書館の職員が国際子ども図書館のオンラインコンテンツを紹介し、子供の読書と学習に役立つ情報を提供した。