どこまで続くか誰も知らない洞窟も… 【日本海の荒波が創りだした絶景】 福井県「蘇洞門」クルーズが面白い!
#306 Sotomo蘇洞門(小浜市・福井県)
元アメリカ大統領オバマ氏が就任した際、一躍脚光を浴びた小浜市。今も、アメリカンジョーク狙いなのか、地名目当てにアメリカから訪れる観光客もいるそうです。 【画像】御朱印帳ならぬ、船印帳がおもしろい! そんな小浜は日本列島のほぼ中央、京都の北に位置し、都から最も近い日本海側の港町です。こうした地理的な利点から小浜は、シルクロードを越えて大陸からやってくる船にとって海の終着点であり、ここから京都、大阪へと続く陸の出発点でもありました。 小浜の港は若狭湾のほぼ中央に位置し、海に向かって右に内外海(うちとみ)半島、左に大島半島が湾を囲んで延びています。その地形はまるでカニのハサミのよう。 そんな小浜の観光スポットの筆頭といえば、国の名勝に指定され、若狭湾国定公園を代表する景勝地の「蘇洞門(そとも)」。 蘇洞門は、日本海の荒波によって削られた約6キロにわたる豪快な断崖で、奇岩や洞窟、海蝕洞などユニークな地形が連続しています。 そんな地形を満喫できる、若狭フィッシャーマンズ・ワーフの「蘇洞門めぐり遊覧船」に乗船してみました。
冬には荒波が断崖の上まで届く!
出港してすぐに双児岩、やがて三ツ岩、二ツ岩を回って、内外海半島沿いに若狭湾へ抜けます。ここからが名前の付いた奇岩などが続く、いわば本編の始まりです。 鎌の柄のような形をした「鎌の腰」、その奥がどこまで続くか誰も知らないという洞窟「地獄門」、中国からの船を係留したという「唐船島」、四角いブロック状に割れた方状節理の「あみかけ岩」、2つの巨岩が折り重なった「夫婦亀岩」……。こうした名前は漁師さんたちが自分の船の位置を伝えるために使っていた通称だとか。 そして、白糸の滝を過ぎると、ハイライトの大門(おおもん)・小門(こもん)。 日本海の荒波によって、断崖に穿たれた2つのギザギザとした洞穴です。小さな穴の方でも大人3人分の高さがあるそう。穴の向こうをのぞき込むと小さな滝が見えます。 冬には荒波が断崖の上の松の木があるあたりまで届くというから、その迫力、想像を絶します。 通常は、大門・小門で風景をしばらく眺めた後に引き返すらしいのですが、この日は、船はさらに進み、断崖を回り込んで岩の割れ目へと分け入っていきました。ゆっくりと最奥まで進むと、そこには断崖を伝う吹雪の滝が。先ほど大門・小門の間から覗いた滝です。 近接した断崖の間を進むため、海況が良好でないと、なかなか行けない大門・小門の裏側。上陸して吹雪の滝をそばで見て、大門・小門から大海を覗いて、透明度の高さに驚いて。断崖に囲まれた秘密の入り江のような雰囲気も、スペシャル感たっぷりです。