現代社会という戦場で求められるのは「大声を出すこと」? 元自衛官のぱやぱやくんが考える、心の負傷したときにまずすべきこと 元幹部自衛官が教える人間関係のサバイバル術
現代社会という「戦場」において、心の負傷を抱えたとき、まず「助けを求める」勇気が必要だとXフォロワー約30万人の元自衛官ぱやぱやくんは語ります。戦場で負傷した兵士が声を張り上げて救援を求めるように、心がボロボロになったときも、周りに知らせなければ誰にも気づかれないまま消耗してしまいます。自身の経験を踏まえ、精神的なダメージへの対処法として、著者最新作『社会という「戦場」では意識低い系が生き残る』から抜粋・再編集してお届けします。 【マンガ】社会という「戦場」で生き残るには…元自衛官が教えるサバイバル術はこちら! * * * 戦場において、負傷をしたときには、何より、大きな声で助けを求めることが必要です。 たとえばですが、「衛生兵!」「撃たれた!」「助けてくれ!」「I need help!」などの言葉を大きな声で叫ぶのは、すごく大切なことです。 たくさんの人が入り乱れる戦場においては、そうしなければ、誰にも気づかれずに、体力を消耗しつくして死んでしまうのです。 戦場では、誰しもが「生きるか死ぬか」の状況に置かれています。なので、ほとんどの人は、周りに気を遣っている場合ではありません。 また人間の特性として、何かと戦っている状態においては、自分の能力をフルパワーで発揮しようとします。 これを言い換えるならば、交感神経が優位となった状態と言えます。すると、呼吸が速くなったり、視野が狭くなったりしますし、そのうえ耳も聞こえにくくなります。 その結果、通常の生活では気づけるようなことも、そもそも本当に、目や耳に入ってこなくなってしまう可能性があります。 周りの人がそうした状況に陥っているにもかかわらず、あなたが負傷したときに「誰かがきっと助けてくれる……」と黙っていたら、出血多量で意識を失い、そのまま助からないという悲惨な未来が待ち受けていることになるでしょう。
たしかに、現代の日本においては、「戦場で負傷する」という可能性は低いでしょう。 しかし、先ほどから言っているように、私たちは現代社会という「戦場」にいます。 この戦場では、銃弾や大砲の弾ではなく、ひどいクレームや不条理な上司、足を引っ張る同僚、隣人トラブルなどがひっきりなしに飛び交っています。 ときには、トラブルを被弾して、ひどく傷つき、気が滅入ることもあるでしょう。 このように考えると、あなたは「現代社会の負傷兵」と言えるのかもしれません。 ゲームの世界ではないので、精神的なダメージは目に見えません。そうなると、「周りの人には、あなたが負傷しているかどうか」が全くわかりません。 また、精神的にも多くの人は余裕なんてないので、「知らせがないのは良い知らせ」と、考える傾向はどうしてもあります。 なので、この世界で生きている人のほとんどは、あなたが一人でボロボロになっているにもかかわらず、気づいてくれません。 だからこそ、あなたはボロボロになったときこそ、誰かに知らせるべきでしょう。 また、もしもあなたの心がボロボロになったとしたら、そのときは「何をどうしていいかわからない」という状況に陥ってしまいます。 なので、まずは現代社会の衛生兵とも言える「心理カウンセラー」に相談してみましょう。 (ぱやぱやくん) ぱやぱやくん/防衛大学校卒の元陸上自衛官。退職後は会社員を経て、現在はエッセイストとして活躍中。名前の由来は、自衛隊時代に教官からよく言われた「お前らはいつもぱやぱやして!」という叱咤激励に由来する。著書に『飯は食えるときに食っておく 寝れるときは寝る』(育鵬社)、『陸上自衛隊ますらお日記』『今日も小原台で叫んでいます 残されたジャングル、防衛大学校』(以上、KADOKAWA)など。
ぱやぱやくん