40代以上の運動はまず歩く!中年期に毎日1時間歩くだけで寿命が最大11年延びる【研究結果が示唆】
最近発表された研究によると、日常的に歩く時間を少し増やすだけで、寿命が最大11年も延びる可能性があることがわかった。この驚きの結果は、運動不足が私たちの健康に与える深刻な影響を示しており、運動習慣を取り入れる重要性を再認識させるものである。 〈写真〉40代以上の運動はまず歩く!中年期に毎日1時間歩くだけで寿命が最大11年延びる? ■運動不足が健康に与えるさまざまな影響 アメリカ疾病予防対策センター(CDC)が実施しているアメリカの国民健康栄養調査によると、成人のなんと約74%が推奨される運動量に達していない。健康を維持するためには、週に150~300分の中強度の運動、または週に75~150分の高強度の運動が推奨されている。しかし、現実には多くの人々が運動の重要性を十分に実感できていないのが現状だ。その結果、運動不足は生活習慣病や心血管疾患、肥満などのリスクを高める原因となっている。そのため、運動を習慣化することが、健康維持のために非常に重要である。 ■今よりもっと日常的に“歩くこと”を意識してみよう 学術誌「ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・スポーツ・メディスン」に発表された最新の研究によると、日常的な運動量を少し増やすだけで、寿命を延ばすことができることが明らかになった。この研究では、3万6千人以上の40歳以上の中年期のアメリカ人を対象に、運動量と寿命の関係が調査された。研究者たちは、すべての運動を「歩行」に換算し、各グループの健康寿命を比較した。特に注目すべきは、最も運動不足のグループ(1日50分の歩行相当)の人々が、運動を増やすことで最大11年もの寿命を延ばす可能性があるという結果だ。これは、運動量を増やすことが非常に効果的であることを示しており、健康寿命の延伸における大きな影響を持つことがわかった。運動を日常生活に取り入れる方法を難しく考える必要はない。研究では、「インシデンタル・フィジカルアクティビティ」と呼ばれる、特別な時間を割かずにできる身体運動を推奨している。つまり、今よりもっと歩くことを意識すれば良い。以下は、日常的に実践できる運動習慣の例だ。これらの簡単な工夫で、運動量を増やすことができ、健康寿命を延ばすための第一歩を踏み出すことができる。 ■■階段を使う エレベーターやエスカレーターではなく、階段を使うことで自然に歩く時間を増やせる。 ■■公共交通機関を利用する 駅やバス停まで歩くことで、移動の際に歩く時間を確保できる。 ■■立ちながら作業する スタンディングデスクを使うことで、長時間座っていることを避け、体を動かすことができる。 ■■オフィス内で歩く トイレやコピー機、給湯室に行く際に少し歩くことで、体を動かす機会を増やせる。 ■運動量を少し増やすことで得られる大きなベネフィット 研究によると、最も運動量が少ないグループ(1日50分の歩行相当)の人々でも、運動を増やすことで寿命が延びることがわかった。例えば、1日80分の歩行相当の運動を行うグループに移行するだけで、寿命が0.6年延びることが示されている。さらに、1日110分の歩行相当の運動量を確保すると、寿命が3.5年延びるという結果が出ている。これらの結果からわかるのは、運動を少しでも増やすことが寿命に大きな影響を与えるということだ。特に、現在運動がほとんどできていない人々にとって、少しの運動量の増加でも寿命に大きなプラス効果をもたらす。 運動は寿命を延ばすだけでなく、心身の健康にも大きな影響を与える。アメリカの「健康促進のための身体活動ガイドライン」によれば、運動は体力の向上や睡眠の質の改善、日常生活のパフォーマンス向上、さらには認知機能やメンタルヘルスの改善にも役立つことが示されている。階段を使う、公共交通機関を利用するなど、簡単にできるウオーキングをもっと取り入れることで、健康寿命を延ばし、より長く健康で過ごすことができる。今日から少しずつでも歩く時間を増やし、より健康な生活を目指そう。 出典: Just an hour of walk in middle-age can add years to life, study saysScientists Find Walking Every Day Could Add 11 Years to Your Life Just an hour of walk in middle-age can add years to life, study says Walking more could add as much as 11 years to your life, study says. Here’s how 文/山口華恵
山口華恵