WindowsでAndroidをコントロールできる「scrcpy」が画面ミラーリングなしで操作可能に
Android端末をPCへミラーリングするツール「scrcpy」が6月30日(日本時間)、v2.5へとアップデートされた。本バージョンでは、Androidデバイスのスクリーンをビデオストリームできなくても「scrcpy」を開始する「Control-only」をはじめとする機能改善が加えられている。 【画像】「--no-video --no-audio」オプションでデバイス操作のみのモードに 「scrcpy」は、USB/Wi-Fi接続されたAndroid端末の画面をPCで表示(ミラーリング)・操作できるようにするアプリ。名前(screen copy)の通り、リリース当初はAndroid端末の画面をミラーリングするためのツールだったが、v2.0で音声転送をサポート。その後も内蔵のカメラやマイクの転送にも対応し、録画や配信などにも用途が広がりつつある。 ■ Control-only 従来の「scrcpy」はビデオストリームがないとミラーリングウィンドウを開けなかったが、本バージョンでは「--no-window」オプションが渡されない限り、既定でウィンドウを開くようになった。 以下のオプションで起動すれば、画面ミラーリングを行わず、デバイスの操作のみを行える。 .¥scrcpy.exe --no-video --no-audio この場合、「scrcpy」は既定でUHIDマウスモードとなる。USBケーブル経由でもワイヤレスでも動作するとのこと。 ■ ディスプレイの一時停止・再開 新しいショートカットが追加され、ディスプレイの一時停止([Alt]+[Z]キー)とその解除([Alt]+[Shift]+[Z]キー)が簡単に行えるようになった。Androidデバイスでプレゼンテーションする際、アプリの切り替えなどで他の要素が見えないようにしたいといった場合に活用できる。 ディスプレイの一時停止はレンダリングにのみ影響し、デバイスはキャプチャーされたままとなる。Androidデバイスのスクリーン録画が有効でも、中断されてしまうことはない。 ■ マウスホバー 従来の「scrcpy」はマウスボタンが押されていると、マウスカーソルの移動(ホバー)イベントはデバイスに転送されなかった。実装当時、この挙動が問題となるデバイスが存在しなかったためだ。 しかし、最近のデバイスはマウスホバーイベントでアニメーションをトリガー(開始)したり、アイテムをハイライトするといったデザインが増えている。そこで、本バージョンではマウスホバーが既定でサポートされた。新しいオプション「--no-mouse-hover」で無効化できる。 ■ そのほかの改善 そのほかにも、マウスクリックに「scrcpy」機能を割り当てるバインディング関連のオプションが刷新され、柔軟性が向上しているとのこと。 Windows版におけるライブラリ更新は以下の通り。 ・FFmpeg 7.0.1 ・SDL 2.30.4 ・platform-tools (adb) 35.0.0 「scrcpy」の対応OSはWindows/Mac/Linuxで、ライセンスは「Apache License 2.0」。現在、「GitHub」のプロジェクトページから無償でダウンロードできる。 ソフトウェア情報 「scrcpy」・【著作権者】 Genymobile ・【対応OS】 Windows/Mac/Linux(編集部にてWindows 11で動作確認) ・【ソフト種別】 フリーソフト ・【バージョン】 2.5(24/06/30)
窓の杜,樽井 秀人