日米防衛産業協力・取得・維持整備定期協議(DICAS)に欠かせない「迅速さ」
潜在能力を最大限に発揮するために
シカゴ市長として辣腕を振るったエマニュエル大使は、単に政策を打ち上げるだけではなく、それをいかに実現するかが重要であることを熟知している。日米両国は、安全保障上の厳しい課題に直面しており、リソースをどう蓄え、それをどう使うかを最適化するために緊密に協力する必要がある。 岸田・バイデン首脳会談で発表されたDICASの発足と、米国の艦艇・航空機に対する支援拡大は、喫緊の課題に対処する日米共同の深化の始まりに過ぎない。DICASがその潜在能力を最大限に発揮するためには、ゆっくりと時間をかけて成長するような案件だけにとらわれず、日米の能力を迅速に統合し、適応させ、大規模に実戦投入しうるような取り組みに着手できるかどうかにかかっている。
村野将,ティモシー・A・ウォルトン(Timothy A. Walton)